ポストシーズンの最中も火花散る「村上宗隆」「岡本和真」争奪戦 後れとる「マリナーズ」の交渉役に“レジェンド”の名も

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村上と岡本の評価

「守備面での不安がないスラッガー」という意味で、ドジャースやヤンキースの本命と目されているのが、東京ヤクルトの村上宗隆(25)と巨人の岡本和真(29)だ。

 今オフ、村上がポスティングシステムに掛けられるのは規定路線のように伝えられている。また、岡本についても、横浜DeNAに移籍した藤浪晋太郎がマリナーズ3Aを自由契約になったばかりの6月半ばころ、敏腕代理人として知られるスコット・ボラス氏が、

「多くのチームが一塁手を必要としている。だから、彼にもチャンスがあると思う」

 と発言し、岡本の売り込みを始めているような印象を米メディアに与えた。

 奇しくも、岡本がボラス氏のクライアントであったことが判明した場所はドジャー・スタジアムだった。上述の発言から間もない7月2日のことである。ボラス氏がドジャー・スタジアムを訪問した目的は明かされていないが、「The Athletic」、「MLB Trade Rumors」など複数の米メディアが、村上と岡本が同時期に米球界へ挑戦することを“断定形”で伝えていた。

「前回のWBC大会で、岡本の実力は多くの米スカウトも認めていますが、来季も巨人に残るとの見方もあります。この先、大きな怪我をしなければ来年には海外FA権を取得しますし、11月の韓国代表との強化試合に出場するという情報も流れています」(スポーツ紙記者)

 日本のメディアは、岡本の今オフメジャー挑戦には半信半疑といった雰囲気だったが、MLB公式サイトではすでにフリーエージェント市場の動向が掲載されている。

 興味深かったのは、米スポーツサイト「heavy」の記事をそのまま引用したもので、コディ・ベリンジャー(30)がチームを去った場合、岡本はヤンキースにとって、格好のバックアッププランになるというもの。「オカモトは未知の選手や期待で獲るレベルではない。29歳にして日本プロ野球屈指の打者だ」と紹介していた。

「さらに、村上に対する評価が再び上がってきました。22年に三冠王を獲得して以来、打撃成績が下降していたので、メジャーでフルシーズンを戦うには厳しいのではと見られていましたが、8月30日の広島戦でバックスクリーンに豪快に3発を放り込みました。その試合をパドレスのA.J.プレラーGMが視察していたことで複数球団が村上争奪戦に名乗りを挙げてくるのではないかと予想されています」(前出・現地記者)

マリナーズの最後の切札は“あのレジェンド”

 前出の米国人ライターによれば、今オフの米FA史上の一番人気となりそうなスラッガーはカブスのカイル・カッター(28)で、チームも慰留に必死だ。攻守に期待できるカッターの獲得に失敗した球団が守備面に眼を瞑ってシュワーバーと交渉するか、岡本か、村上の獲得に本腰を入れると予想されている。

「近年、有名な日本人選手の獲得で後れを取っているマリナーズやヤンキースが、村上たちの獲得に熱心だとする報道が多いです」(前出・同)

 特にマリナーズが岡本、村上に興味を抱くもう一つの理由として、大谷獲得後のドジャースが日本企業からの多くの広告出資を得ている点も挙げられる。成績も含め、近年の劣勢を取り戻すため、有望な日本人選手を獲得するために、球団内には「イチロー氏(51)に交渉を手伝ってもらうことも……」という声もあるという。

 ドジャースやパドレスは佐々木との交渉の席に大谷ら所属する日本人選手を同席させたこともあった。イチロー氏は「マリナーズ会長付特別顧問」の肩書きもあるため、交渉相手が練習環境での不安や疑問を口にした際、その回答には大谷たちとは違う強い説得力を伴う。もしイチロー氏が受託したら、これ以上ない交渉相手だろう。

 ドジャースが順調にポストシーズンマッチを勝ち上がっていけば、カッターのいるカブスとも対戦するかもしれない。強打の外野手も欲するドジャースの目にどう映るのか、オフの補強は始まっている。

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