ぶっちぎり優勝「阪神」オフの契約更改はバラ色となるか…藤川監督「力のないベテランはいらない」発言の影響は
今オフは楽しみ?
圧倒的な強さで「独走優勝」を決めた阪神タイガースの悩みは、クライマックスシリーズ(以下=CS)までのモチベーションを維持することだけではなかった。
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「2位を確定させた横浜DeNAベイスターズが9月に入って、驚異的な強さを見せています。6、7、8月と月間成績で負け越していたのに、9月は16勝5敗1分け。東克樹(29)、ジャクソン(29)、ケイ(30)の先発投手は、まるで10月のCSに合わせたかのように尻上がりに調子を上げ、打線も宮崎敏郎(36)、牧秀悟(27)がファーム調整中なのに勢いが衰えません」(スポーツ紙記者)
くわえて、三浦大輔監督(51)の退任も、チームの結束力を高めるかもしれない。DeNAを警戒する向きは阪神サイドにも広がっているが、球団の経営陣は別の大きな問題も抱えていた。今オフの契約更改だ。
今季、阪神選手のほとんどが成績を上げている。基本的に成績が上がれば年俸もアップし、下がった年はダウン提示となる。プロ野球の世界では当たり前の話ではあるが、昇格対象となる選手があまりにも多いのだ。
「入団から7年連続130本安打を達成した近本光司(30)が国内フリーエージェント権(以下=FA)を取得しました。粟井一夫球団社長は全力で慰留することを明言し、近本自身もチームに不満を持っていないはず。でも、今季の推定年俸3億7000万円の近本は『5年25億円』からの交渉スタートとされています」(在阪記者)
近本の今季推定年俸3億7000万円は、チームトップ。昨年オフ、国内FA権を行使した大山悠輔(30)は「5年総額17億円(推定)」で残留を決めたので、年平均では3億4000万円となる。リードオフマンが主砲を上回る異例な序列で、「5年25億円」での慰留交渉のスタートとなれば、歪みはさらに強まるだろう。
24年の阪神選手の推定年俸を見てみると、1億円以上をもらっているのは外国人選手を含め、15人。うち、複数年契約を結んでいるのは、大山のほかは西勇輝(34)、梅野隆太郎(34)の2人だけで、梅野は今季で4年契約が満了する。スタメンマスクを坂本誠志郎(31)に譲る試合も増えてきたため、現在の年俸1億6000万円から大幅なダウン提示が見込まれるが、他の単年契約の日本人1億円プレーヤーの佐藤輝明(26=1億5000万円)、岩崎優(34=2億円)、中野拓夢(29=1億4500万円)らの昇給は必至。才木浩人(26=1億2000万円)も米球界挑戦を遅らせるのであれば、大幅昇給の対象者だ。
1億円予備軍もゾロゾロ
また、“1億円プレーヤー予備軍”の活躍も見逃せない。
年俸9000万円の大竹耕太郎(30=9勝4敗)で、阪神に移籍して以来の3年連続2桁勝利を目前にしている。8200万円の石井大智(28)は53試合に登板し、防御率0.17の驚異的な数値を残している。8000万円の村上頌樹(27)も、リーグ2位の14勝(4敗)を上げ、防御率2.10はリーグ3位(10月3日現在)。8800万円の桐敷拓馬(26)も43試合に登板し、13ホールドで2点台の防御率をキープしている。昨季の70試合登板は出来過ぎであり、今季も“勝ちパターンの一角”として十分にチームに貢献してきた。
「佐藤の打撃が好調すぎるため、あまり取り上げられていませんが、森下翔太(25)の本塁打23、打点89は佐藤に次いでリーグ2位です。佐藤が本塁打(40本)、打点(102)で二冠王になる可能性は高いですが、森下の本塁打、打点の高さも査定の大きなプラスポイントになります」(前出・同)
ダウン提示となりそうなのが、梅野、伊藤将司(1億4000万円)、岩貞祐太(1億円)。新たな大台突破組は大竹、石井、村上、桐敷の4人。1億円プレーヤーは日本人選手だけで13人以上となりそうだ。外国人選手では、1億1600万円のデュプランティエ(31)も昇給対象であり、近本の残留交渉に「5年25億円」以上掛かったとしたら、いくら優勝チームでも払いきれるのかと心配になってくる。
今年4月、プロ野球選手会が会員支配下公示選手を調査した12球団別平均年俸ランキングによれば、1位は巨人の7800万円だった。選手名鑑などをもとに計算された12球団の総年俸ランキングの1位は約62億円のソフトバンクで、阪神は約45億円で3位。1位に躍り出る可能性も十分にある。
「8月に入った頃から、各球団は個々の選手と契約更改の前交渉を始めます。フロント職員が希望金額を聞くというか、『個人成績がこれだけ上がったから、これくらい提示してもらえるんじゃないか』みたいな話を聞き出すんです。ペナントレースの終盤に差し掛かってきた頃、フロントも希望金額と球団の提示額に開きがあるかないかを匂わせ、契約更改がスムーズに行くよう、調整しています」(在京球団スタッフ)
ほとんどの阪神ナインが“バラ色のオフ”を予想したはずだが、そうではなかった選手も。それは、出場試合数を減らした梅野だけではないようだ。
「ベテランの西勇輝はどうなるのか。今季の一軍登板は4月の中日戦の1試合だけで、その後は二軍での調整が続いています。ペナントレースの優勝を決めた後も一軍登板がありません」(前出・在阪記者)
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