デビュー作で「帰っていい」 映画「雨あがる」が転機…還暦ビキニにYouTube 66歳・宮崎美子の人生観
還暦でビキニ
2020年、60歳の節目には、大きな挑戦として40年ぶりのビキニ姿を撮影した自身初のカレンダーを出版した。撮影を担当したのは、彼女のデビューとなった『週刊朝日』のグラビアも手掛けた写真家・篠山紀信さんだった。
「還暦でビキニなんてなかなか聞かないでしょう。でも節目に自分を残しておきたいと思ったんです」。最初はためらいもあったが、勇気を出して挑戦した。「やってみたら、自分自身も少し解放された気がしました。完成したカレンダーを見た方々から『素敵ですね』と言っていただけて、本当にやってよかった」。還暦という年齢をポジティブに捉え、自分自身を再確認する機会となった。
その根底にあるのは、常に変わらぬ好奇心だ。最近はYouTubeで本や料理などを紹介する活動も始めた。「自分が好きでやっていることですが、楽しんでくださる方がいるのが嬉しい」。60歳を過ぎても新しいことに挑戦する姿勢は健在だ。
また、地元・熊本とのつながりも大切にしている。月に一度は地元放送局のRKK熊本放送「週刊山崎くん」に出演したり、地元ロケの映画「囁きの河」にも進んで出演したりもした。同級生たちとも顔を合わせる機会もある。「みんなが元気で集まってくれて、私も顔を出せるのが嬉しいんです」。ふるさととの絆が、忙しい日々を支える大きな力になっている。
「迷惑をかけないように」というのが年齢を重ねた今の信条だ。人生を自分の思うようにきれいに閉じるために、少しずつ準備を進めているという一方で、「役者をやる面白さは年々増しています。定年がないのは本当に幸せ」と笑顔を見せる。
これからについて尋ねると、「声の仕事をもっとやりたいです。アニメも映画もドラマも、吹き替えも勉強になると思うので挑戦してみたい」と目を輝かせる。常に新しい挑戦を求め続ける姿勢が、宮崎美子という俳優の原動力だ。
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第1回【宮崎美子がアニメ映画で新境地「声だけで伝わる」 無期懲役囚の恋人役で感じた“声優の奥深さ”とは】では、声優を務めた映画「ホウセンカ」について語っている。
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