「人と会うのが苦手な高市さんは事務所回りをしない」 党員人気は抜群でも…総裁選で高市氏が厳しい戦いとなる理由

国内 政治

  • ブックマーク

最初の難関は……

 さて、投開票はついに今日だ。新総裁が決まった後のスケジュールは、

「まず、速やかに党役員人事に着手する必要があります。首班指名に関しては、10月14日以後の開催が有力視されています。野党は統一候補を立てられず、自民党の新総裁が新総理に就任する見込みです」(前出のデスク)

 最初の難関は人事だ。

「誰が新総裁になっても、党内融和に腐心し、旧派閥の領袖や他候補の顔色をうかがわざるを得ないでしょう」(同)

 人事を乗り切った後に控えるのが、10月下旬のトランプ大統領(79)との日米首脳会談である。

 アメリカの政治・外交が専門の上智大学教授・前嶋和弘氏が語る。

「トランプ大統領は韓国に求めているのと同様、日本にも関税交渉で決まった80兆円規模の対米投資の早期履行を迫る可能性があります。石破首相は就任から4カ月の準備期間を経て初会談に臨みましたが、新総理には極めて短期間しか準備期間がなく、誰が就任しても難しい対応を強いられそうです」

難題である連立交渉

 同時に新総理総裁が抱える難題が、少数与党解消のための連立交渉である。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏が言う。

「小泉陣営の菅義偉副総裁(76)や齋藤健前経産相(66)が日本維新の会の遠藤敬国対委員長(57)と地ならしを行っています。維新は連立に前のめりですが、特に大阪などで公明・維新間の選挙区調整が必要です。今後の交渉は一筋縄ではいきそうもありません」

 元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏が指摘する。

「国民の不信感は“政治とカネ”の問題だけで膨らんだのではありません。これまでに積み重なってきた政治的課題に、既成政党が十分な成果を示せなかったツケが噴き出した結果なのです。その不信感を払拭し、信頼を回復するには、着実に実績を重ねる以外に道はありません。もし新総裁が人気投票的に選ばれながらも成果を出せなければ、自民党自体が立ち直れないほどの打撃を受けるでしょう」

 言うは易く行うは難しで、誰が新総裁になっても党の立て直しはそう簡単ではない。

 前編【「“ビジネスエセ保守”という言葉以上にキツい文言が…」 小泉進次郎陣営の「ステマメール」騒動には原案があった! 「牧島さんのせいだけにするのは問題」】では、小泉陣営のステマメール騒動の裏側について報じている。

週刊新潮 2025年10月9日号掲載

特集「自民総裁選は期待外れ ボロボロになった小泉進次郎」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

あなたの情報がスクープに!

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。