「弱い相手に勝ってもボロカス言われるから…」 那須川天心が“あえて”井上拓真と闘うワケ

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かなり特異なマッチアップ

「まもなく今年一番の注目カードが発表されますよ」

 と、スポーツ紙記者が目を輝かせるのは、那須川天心(27)と井上拓真(29)が拳を交えるWBC世界バンタム級王座決定戦。11月開催が内定したという。

 天才キックボクサーとして名をはせた那須川は、無敗のままプロボクシングに転身し、現在7戦全勝2KO。初の世界挑戦となる。

 一方の拓真は、言わずと知れた井上尚弥(32)の弟で、元WBA王者である。

 この対戦、斯界の常識に照らすと、かなり特異なマッチアップなのである。

アンチを黙らせる?

 同級でWBC・IBFの2団体王者だった中谷潤人(27)が、1階級上の尚弥に挑戦するべく二つのベルトを返上。本来ならそれを那須川と拓真で分け合うこともできたのだが、

「WBC1位の天心が拓真との対戦を熱望。昨年10月の防衛戦で堤聖也(29)に敗れて崖っぷちの拓真に断る理由はない。両者の意向を受けたWBCは、試合をしていない拓真を2位にランクアップさせるという異例の措置を講じ、対戦指令を出したのです」

 それにしても、人気がある那須川の世界初挑戦なら、御しやすい対戦相手をいくらでも選べただろうに。

「キック出身の天心は、ボクシング界では鬼っ子扱い。アンチも多く、“パンチが弱い”“ダウンを奪えない”などとディスられがち。弱い相手と王座決定戦をして王者になってもボロカス言われるに決まっている。でも、幼稚園からボクシングをやっている正統派の拓真を倒したら、彼らを黙らせることができる、と考えたのです」

 試合は、アマゾンプライムビデオで独占中継される。

週刊新潮 2025年10月2日号掲載

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