リリーバー「佐々木朗希」は“ブルペン崩壊”ドジャースを救うか…米メディアも「今季は26回もセーブに失敗。もう言葉もない」
リリーフの経験はないが…
実戦復帰するに当たり、佐々木は投球フォームを微調整したとの情報も聞かれた。前出の米国人ライターによれば、復帰登板を果たしたころから、佐々木はウォーミングアップの際に腹部に手を当てて深く息をしたり、腹筋が動くのを確かめたりするようなルーティンを加えるようになったそうだ。
「体幹を意識しているのではないでしょうか。佐々木への直接取材が許されていないので真相は分かりませんが」(前出・同)
繰り返しになるが、佐々木のリリーフ登板は炎上を続けるブルペン陣の人員補充であり、その適性テスト。しかし、それとは異なる「教育の一環」との情報も聞かれた。
「リリーフとなれば、1イニングをしっかり抑えるのが仕事です。先発は6イニングを投げてもらうのが仕事ですから、体力をセーブするため、球速を抑えての投球となります。全力投球のできるリリーフで、球速とボールのキレの両方を蘇らせようとしたとの見方もされています」(前出・現地メディア関係者)
「全力投球をさせる」のが目的なら、ロバーツ監督の会見で出た「ボールも良かった」の発言にも合点がつく。
とはいえ、佐々木のリリーフ登板は千葉ロッテ時代にも経験がないこと。地区優勝は足踏み状態が続いているとはいえ、時間の問題。大切なポストシーズンマッチに経験値のない急造リリーバーを登板させる余裕はないはずだ。
「カーショウが今季限りでの現役引退を表明しました。その引退発表とほぼ同時期にささやかれていたのが、ポストシーズンマッチ(以下=PS)での先発ローテーションです。ドジャースは6人制でシーズンをまわしてきましたが通常、PSは4人で回します。山本由伸(27)、ブレイク・スネル(32)、タイラー・グラスノー(32)、大谷翔平(31)は確定的。エメ・シーハン(25)とクレイトン・カーショウ(37)がリリーフにまわるというのが大方の予想です。通算222勝、ドジャースの金看板であるカーショウが救援でマウンドに向かい、ウィニング投手になるとしたら、最高の花道になるでしょう。でも、ドジャースのブルペンは左投手が多く、バランスが悪いんです。救援投手の左右のバランスを考え、カーショウがPSの登録から外れ、佐々木が加わってくる可能性もあります」(前出・米国人ライター)
救援不足のド軍を救うか?
救援登板が可能な右投手として、佐々木に白羽の矢が立ったとの見方もされているそうだ。
カーショウが引退を表明した9月18日、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「カーショウのシーズンはまだ終わっていない。今季の貢献度とこれまでの実績から、ロバーツ監督もベテラン左腕が今年のPSロースター入りを勝ち取ったと感じているだろう」と伝えていた。「佐々木よりもカーショウをPSロースターに入れるべき」の論調だ。
日本のメディアはカーショウのリリーフも辞さない決意を“美談”として伝えていたが、実際は違った。カーショウにはPSの先発枠に入る力は残っておらず、リリーフでの可能性が囁かれていたが、それを佐々木と争う図式になってしまったのが真相だ。
現地時間9月23日、「1番・投手兼DH」で先発登板した大谷は6回被安打5、無失点、8奪三振と好投したが、7回から引き継いだリリーフ陣が4点差を守り切れず、逆転サヨナラ負けを喫した。米スポーツ専門局「NBC LA」は「今季、ドジャースのブルペン陣は26回もセーブを失敗している。もう言葉もない。笑えてしまうぐらいだ」と皮肉っていた。
専門のリリーバーを外して、カーショウと両方をベンチ入りさせる方法もあるが、佐々木の救援登板には重責が課せられているのは間違いないようだ。
[2/2ページ]

