主演映画が相次いで公開「福山雅治」は向かうところ敵ナシか…「不適切会合」報道も新作が好スタートの背景

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もう一本もヒット確実?

「福山といえば、どうしても『ガリレオ』シリーズで演じた天才物理学者・湯川学の印象が強い。湯川は明晰な頭脳を持つが、堅物の変わり者。それに対して今作の神尾武史は、いかにもチャラそうで、人を食ったようなマジックテクニックをフル活用。時には詐欺師まがいのハッタリもかまし、口癖が『いくら払える?』の銭ゲバキャラ。なかなかハマっていたとは思いますが、やはり湯川に比べると、キャラが弱い印象があります」(映画担当記者)

 舞台はすっかり衰退したある田舎町。容疑者候補は10人ほどに。彼らは、武史のメンタリスト級の巧みな人間観察&誘導尋問で徐々に追い詰められていくのだが、

「最後はド派手なマジックの仕掛けの元、事件の真相が明らかになるのですが、『ガリレオ』のようなミステリー感がなく、途中であらかた犯人が分かってしまうような展開です。福山をいかにカッコ良く見せるかということがテーマになっているのではと感じました。それでもシリーズへのファンの期待度は高く、集客につながったのでしょう」(同)

 参考までに、「ブラック・ショーマン」の初動の興収記録を「ガリレオ」シリーズの劇場版3作と比較してみよう。

「容疑者Xの献身」(2008年)は。初日から2日で動員40万7200人、興収5億4400万円。49.2億円でシリーズの中で最高の興収を記録。「真夏の方程式」(13年)は、2日間で動員36万3451人、興収4億6499万2250円。33.1億円まで興収が伸びた。そして、「沈黙のパレード」(22年)は、初日から公開4日間の成績は、動員49万3000人、興収6億9600万円で、最終的には30億円に到達。

「ブラック・ショーマン」は、公開から4日間の成績では「沈黙のパレード」を上回っているだけに、興収30億円を突破できるかどうかが注目されるが、いずれにせよヒットは確実のようだ。

 さらに福山は、年内にもう1本、主演映画の公開を控えている。

 23年4月期にTBS系日曜劇場枠で放送された主演ドラマ「ラストマン-全盲の捜査官-」の劇場版「映画ラストマン-FIRST LOVE-」だが、現時点では「12月公開」としか発表されていない。

 ドラマ版では、福山演じる人たらしのFBI特別捜査官・皆実広見と、大泉洋(52)演じる犯人逮捕のためには手段を選ばない刑事・護道心太朗がバディを組んで続々と事件を解決。さらには、皆実と心太朗の過去の因縁と共に、2人が実の兄弟だったことが明かされた。

 映画化となれば、オリジナルキャストも出てくるだろうし、どんな展開が待ち受けているのか楽しみだが、公開まで3カ月を切ってもストーリーなどの詳細は明かされていない。ドラマ版から大泉、King & Princeの永瀬廉(26)、今田美桜(28)、吉田羊(年齢非公表)、上川隆也(60)らの続投が発表。さらに、宮沢りえ(52)が、事件の鍵を握る皆実の初恋の人、ナギサ・イワノワ役で出演することが発表された。

やはり福山作品は強い

「福山さんと大泉さんは同じ事務所で、プライベートでも親交があっただけに、演技も息がピッタリでした。ドラマ放送時、すでに各局の連ドラは視聴率2ケタ突破ですら大きな“壁”となっていたのに、全10話の平均世帯視聴率は12.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録。映画化されるのも自然な流れでした。フジは、会合問題があったので生出演を含め、大々的な番宣はかないませんでしたが、ようやくほとぼりが冷めてきつつあります。なので、ウチでは大々的に番宣を展開することになるでしょう。公開日が決まっていないのは、プロモーション計画を調整しているからです」(TBS社員)

 映画化まで2年を要しているが、ドラマ版よりもスケールアップすることは確実で、プロモーション活動の規模は「ブラック・ショーマン」をはるかにしのぐことになりそう。年末・正月のかき入れ時に公開時期が重なることも考えると、こちらも当たらないはずがない。

「おそらく、『ラストマン』は『ブラック・ショーマン』の興収を上回ると思います。年に複数の主演映画が公開される俳優は少なくはないですが、大規模公開の作品が複数で、しかもヒットの基準とされている10億円以上の興収をはじき出す俳優はなかなかいません。これまで歌手・俳優としての芸歴で多くのファンを獲得している強みもあるのでしょう。今年は、改めて福山の集客力を思い知らされることになるのではないでしょうか」(前出・映画担当記者)

デイリー新潮編集部

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