オンラインカジノ“6億円ギャンブル”で離婚危機に陥ったフジテレビ元社員 「情けないです」“44歳息子”のために証言台に立った母の嘆き

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「ギャンブル依存症なんだと思います」

 検察官による証拠の読み上げが終わると、弁護側の情状証人として鈴木被告の母親が証言台に立った。老齢の母親は、傍聴席に向かって深々頭を下げてから入廷した。

弁護人「お母さんから見て被告人はどのような性格ですか?」
母親 「真面目で優しくて頑張り屋です。一生懸命真面目に仕事をしていました」
弁護人「韓国のカジノに通っていることは知っていましたか?」
母親 「仕事のつきあいで行っていると思っていました」
弁護人「息子がオンラインカジノをやっていたと知ったのはいつですか?」
母親 「6月23日に逮捕の報道で初めて知りました。そこまでギャンブルに深入りしているとは知りませんでした」

 ただ母も薄々異変に気づいてはいたのかもしれない。高給取りであるはずの息子から無心されたことがあったからだ。

弁護人「これまで息子にお金を貸したことはありましたか?」
母親 「昨年11月、街金から借りてしまったと言われて500万円を貸しました」
弁護人「その後借金はどうなりましたか?」
母親 「家の売却益で返してもらいました」

今後は「一緒に暮らすことになる」と語った母親

 弁護人から「会社から懲戒処分を受けた後もオンラインカジノを続けていたことについてどう思うか」と問われると母は「情けないです」「ギャンブル依存症なんだと思います」と答えた。

母親 「迷惑をかけたすべての皆さんに更生した姿を見せるまで、地に足がついた生活をしていこうと息子とは話しています。ギャンブル依存症という病気なので、通院しながら治療を続けさせます」

 弁護人は、妻と子供2人、4人で暮らしていた家庭が崩壊の危機に陥っていることも明かした。

弁護人「この状況を母親としてどう思っていますか」
母親 「非常に残念で悲しいです。一番の犠牲者である家族に対して一生償ってもらいたい。今後はもっと話し合いをして、何か問題が起きた時に一人で抱え込まないような状況にしていきたいです」

 離婚した後は「実家で一緒に暮らすことになると思います」と語った母親。被告人席に座った息子は、終始バツの悪そうな顔をして耳を傾けていた。

 後編【「勝って楽になりたかった…」「私はギャンブル依存症です」オンラインカジノで離婚危機のフジテレビ元社員 母が見守る法廷で誓った「再起」】では、被告人質問の模様を詳細している。母親の前で“不肖の息子”が声を詰まらせながら語った「後悔の言葉」とはーー。

デイリー新潮編集部

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