「解散風を自ら吹かせるのは姑息」と石破首相に批判噴出 「解散を強行するなら、戦艦大和の沖縄特攻と同じ」
「姑息にも“解散風”の舞台装置を自ら……」
一方、総裁選前倒しの動きについては周囲に不快感を示しているという。
「首相は地元の鳥取と隣の島根で“総裁選必要なし”という判断を得られていないことにショックだったようです」(前出のデスク)
実際、自民党島根県連の幹部に聞くと、
「日本国民は選挙でノーを突き付けたわけです。総裁選の前倒しは仕方ないと思います。お隣の鳥取県連には選挙でお世話になっていますし、複雑な気持ちはありますが、私の周りは同じような考えを持っている議員が多い。石破首相が本当に日本国のことを考えているなら、もう一度、総裁選に出馬すればいいのでは」
と、にべもない。
先の青山氏が言う。
「首相も総裁選前倒しの動きはとても気にしていて、“時間がある人間ほど、余計なことを考えるものだ”などと周囲に不満を漏らしています」
石破首相側も手をこまねいているばかりではない。首相は8月24日、側近の赤澤亮正経済再生担当相(64)同席の下、小泉純一郎元首相(83)、山崎拓元副総裁(88)、武部勤元幹事長(84)と都内のホテルで会食。会合後、山崎氏は“小泉元首相が郵政解散時の話を披露した”旨、明かしている。
「小泉元首相は郵政民営化に反対した議員を非公認にし、刺客を送り込みました。石破首相は相談相手でもある山崎氏の口を借りて、いざとなれば、解散で党内の敵対勢力を一掃できるというメッセージを発したわけです。実はこの会合、首相側が赤澤氏を通じて山崎氏に頼み、開催にこぎ着けたものです。姑息にも“解散風”の舞台装置を自ら整えねばならぬほど、首相は追い詰められているといえます」(前出のデスク)
首相が赤澤氏を通じ、小泉元首相らとの会合を依頼した件を山崎氏に尋ねると、
「赤澤さんがそれを言っていいと言うのなら……」
こう暗に認める。さらに会合で、「(中曽根内閣の)死んだふり解散の話をしました」と明かし、「解散権は総理にありますから」とも強調するのである。
解散は閉会中でも可能
先のデスクが解説する。
「1986年、中曽根康弘首相は支持率が低迷する中、解散を決断。その年の5月に“衆議院解散は念頭にない”と表明しながら、国会閉会中の解散を模索しました。最終的に翌月、臨時国会を召集するも、野党の反発で本会議は開催できず、議長応接室で議長が解散詔書を読み上げる形で解散に至ったのです」
当時、山崎氏は中曽根元首相の側近として「死んだふり解散」を経験している。今回の発言は、憲法が解散時期について明文規定を設けていない以上、国会閉会中でも解散は可能だと言いたかったようだ。
もっとも、石破おろしの急先鋒である青山繁晴参議院議員(73)は、
「(仮に解散するなら)“私利私欲解散”ですよ」
と、切り捨てる。前出の神田政務官も、
「党を立て直し、党員の気持ちをもう一度一つにまとめることが求められている時です。それをやらずして国民に信を問えば、自民党がバラバラになってしまう。総裁選を回避するために解散総選挙をやるというのは、総裁として非常に無責任なことだと思います」
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