三山凌輝と結婚した趣里が抱える「二つのリスク」とは? 「カップル売り」の時代に逆行…役者としての評価に影響する可能性も

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「やんちゃな夫を支える妻」像は美談から反発へ 趣里さんの「いばらの道」の先は

 一方で芸能人同士の結婚には、夫側が不祥事を起こした場合、「もう一つのリスク」もある。例えば、アンジャッシュ・渡部建さんの不倫騒動後も、離婚を選択しなかった佐々木希さんには、健気と評価する声もあるが「なぜ別れないのか」「見ていてイライラする」と、むしろ反発の声も目立つ。歌舞伎俳優・中村芝翫さんの度重なる不倫にも耐える三田寛子さんも、同様に「美談扱いはもう古い」という世間の風潮にさらされている。

 かつては「夫を支える妻」という物語が美しく描かれたが、現在では「個として幸せを追求すべき」という価値観が主流となり、無条件に耐える姿勢は称賛されにくい。むしろ「妻だって人気芸能人なのに、なぜ彼女だけが損をし続けなければならないのか」といういら立ちが生まれてしまう。

 この視点で考えると、趣里さんの選択にもリスクがある。もし今後、夫に不祥事やトラブルが再燃した場合、彼女は「夫に振り回される女優」として扱われてしまう危険性がある。これまで積み上げてきた実力派女優としての評価に陰りが差す可能性は否定できない。

 とはいえ、趣里さんの結婚は、芸能界の潮流に一石を投じる動きでもある。親の名声に頼らず、自身の努力と演技力でキャリアを築いてきた彼女が、「安全で好感度の高い人気有名人」ではなく、自らが選んだ伴侶と家庭を築こうとしている。その姿勢は、多くの不安要素を抱えながらも、個人の意思を貫く強さを感じさせる。

 結婚がブランド戦略として使用される時代にあって、「好きな人と一緒に生きる」という原点に立ち返ったともいえるかもしれない。もちろん、世間の厳しい目にはさらされ続けるだろう。しかし、その目を跳ね返して夫婦としての信頼を築ければ、逆に「祝福されなかった結婚」を力強い物語へと転じることができるはずだ。

 芸能界では、結婚がキャリアをアップさせる武器にもなれば、足を引っ張る重荷にもなる。いばらの道に足を踏み入れた趣里さんが、女優としても一人の女性としてもどんな答えを出していくのか。その歩み自体が、今後の芸能界における「結婚の意味」を映し出していくだろう。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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