「一発屋に終わらない手はあったのに」 石丸氏「再生の道」退任に永田町の冷ややかな声

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「政治のエンタメ化」「政治屋の一掃」

「去年の衆院選で何らかのアクションをしていれば、都知事選の勢いがまだ残っていたので、何人か当選者を出せていたかもしれないとの分析は聞いたことがあります。年をまたぐと色んなものはリセットされてしまうということなのかもしれません」(同)

 石丸氏は「政治のエンタメ化」や「政治屋の一掃」などを持論としてきた。

「これまで政治に関心の薄かった層も興味を持つようになった印象もありますし、衆院選、都議選、参院選と自公が苦戦したのはそのことと無縁ではないでしょう。その意味では石丸氏の功績は小さくないと感じています。”政治屋”というのは利権にまみれた、しがらみだらけの政治家なんかを意味するのだと思います。もちろんそういう人たちがいなくなったほうがより良いということに反対する人は少ないのではないかと思います。ただし、具体的に利権とかしがらみって何なのか、どうやって一掃するのかはまったく見えませんでしたが」(同)

メディアとの対決姿勢

 メディアとの対決姿勢も石丸氏の専売特許とされ、ネットニュースやSNSをにぎわせた。

「代表退任会見でも大手メディアをやり玉にあげて批判していましたね。安芸高田市長時代から地元メディアとバチバチやっている印象があったので、そういうキャラクターなのかなと思います。標榜する政治のエンタメ化のひとつの側面なのかもしれませんし、支持者はそういうスタンスを求めていると石丸氏は意識しているのかなと捉えていました。『オールド』という形容詞が付けられる旧来メディアや従来の政治家をまったく信頼できない層に訴えかけるには有効な手法なのかもしれませんが、“批判することが目的になってしまっていて言っていることは些末なこと”というパターンも割とありましたね。自分のようにメディアの人間が言うのはフェアではないかもしれませんが、メディアとケンカをし続けて組織を大きくできた政治家はこれまでいないと思います」(同)

石丸さんがいないんだったら辞めます

 石丸氏は8月30日配信(収録は7月22日)のYouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」で、「『石丸さんがいないんだったら辞めます』という人は政治家に向いてないと思う」などと語った。実際、党を離れる者も出てきている。

「文脈は別にして、石破茂首相が引用したジョン・F・ケネディ大統領の“国が何をしてくれるかではなく、国民が国に対して何ができるかを考えてほしい”という言葉を連想させる発言ですね。一部でひんしゅくを買ったりしていましたが日本の将来を踏まえればとても大事な考え方だと思います。一方で石丸氏の場合、この考え方を再生の道に持ち込んでいるように感じました。党を作った責任とか代表としての義務以上に、党のために党員は何ができるのかが重要だと。自分が設立した組織に愛着を持つのが普通かと思いますが、これまでの政治家にはない考え方のひとつなのかもしれません」(同)

 石丸氏は3年後の都知事選への再チャレンジを否定していない。再生の道は9月中旬に代表選考会を開き、新代表を選出する予定だ。また一人になった石丸氏は自身の”再生の道”をどう模索するのか。

デイリー新潮編集部

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