「WBC」ネトフリ独占配信に民放キー局の“本音”は? 「もはやテレビ局の身の丈に合わないイベントになってしまった」

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ヌートバーのような人気者は…

 来年のWBC独占放送権を勝ち取ったNetflixが日本に上陸したのは15年のこと。今や世界で3億人の有料会員を抱え、日本の会員数も昨年1000万人を超えた。

「日本で有料配信が根付くには時間がかかると思われてきましたが、すでにドラマでは制作費や制作時間、ギャランティーにおいてもネトフリにテレビは敵いません。昨年からネトフリは米国でアメリカンフットボールやボクシングなどスポーツの配信を始めました。それがとうとう日本でも始まったため注目されているだけです」

 もはやお手上げとでも言いたげだ。

「日本では地上波離れが叫ばれて久しいですが、視聴率全体を見ても確かにその通りです。しかし、意外なことにテレビ局の株価は高騰していて景気は悪くない。中居問題で揺れに揺れたフジですら、あの10時間会見の前に比べると今は2倍近くの株価をつけています。身の程を知り、身の丈に合った経営が功を奏しているということです。とてもペイできないWBCの放送権を取りに行くような冒険など慎んだほうがいいのです」

 日テレと系列局が巨人戦を中継したことで全国に巨人ファンが誕生したように、テレビが野球そのものや野球ファンを育てた経緯がある。野球に限らずサッカーだってボクシングだってそうだった。

「いまやボクシング史上2人目の2階級4団体統一王者である井上尚弥の世界戦ですら地上波の中継はなくなりました。井上自身は高額なファイトマネーをもらえる上にファンからも賞賛されていますが、かつての具志堅用高のような国民的人気者にならないのは地上波で放送していないからでしょう。やはり有料配信と無料の地上波では視聴者の裾野が違う。WBCだって同じようなことになるかもしれません。前回大会で侍ジャパンの一員として出場したラーズ・ヌートバーのような人気者はもう出てこないかもしれないし、沸騰している大谷翔平の人気も徐々に冷めていくかもしれません。ちょっと寂しいですけど」

デイリー新潮編集部

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