「離婚したくてもできない母親からの羨望が」 加藤ローサの離婚発表はなぜ世の女性の心をつかんだのか

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子どもが「自分たちに責任がある」と感じてしまう可能性も

 さて、引き続き“元夫婦”と一緒に暮らす2人の男の子は現在、中2と小6になるという。先の山脇氏は、

「離婚後も両親が一緒に暮らすケースは非常に珍しく、私のところに相談に来られる方でも今までに2組ほどしかいません」

 そう前置きし、

「いずれも“子どもにどう説明すればいいか”という内容でしたが、加藤さんのようにお子さんが小学校高学年にもなれば“こういう理由で別れるけど、あなたのパパとママであることは変わらないよ”と言えば理解できるようになります。その年齢になってから離婚したことで、お子さんへの影響を最小限にとどめることができたともいえます」

 というのだが、一方で教育評論家の尾木直樹氏に聞くと、

「あくまでも一般論でお答えしますと、子どもが未就学児であれば同居離婚も考えられなくはありません。ですが小学校も高学年、まして中学生となれば思春期へと入っていく難しい時期。判断力もつき、“大人の事情”というものがある程度理解できる年齢です」

 そう前置きしつつ、以下のように説くのだ。

「子どもからすれば、“自分たちのために一緒に住んでいるといっても、本当は別の理由があるのではないか”と感じても無理はないでしょう。さらに、“そんな状態の責任は自分たちにあるのでは”と考えるかもしれません。両親が一緒にいてくれてうれしいという気持ちは、もちろんあると思いますが……」

離婚後は女性の方に仕事が集まる傾向が

 その元夫妻の近況はといえば、

「松井は昨年に現役を引退。現在は日本フットサルトップリーグの理事長に就きながら、国内外でサッカー指導にもあたっています。一方の加藤は、昨年11月には『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)で14年ぶりとなる地上波連ドラ主演を果たしました。今回の『おしゃれクリップ』でも『今年に入って仕事が増えている』と発言しています」

 と、スポーツ紙デスク。

「概して離婚後は、“一人で懸命にやっている”という同情も集まり、男性より女性のタレントの方が仕事につながりやすい。起用する側も“離婚後初”という冠が付くから使いたいと考えます。世間の女性の共感も得た加藤は、演技に深みが出て仕事の幅も広がるのではないでしょうか」(同)

 昨秋のドラマ主演や年初のインタビューも、すべては離婚後への布石だったと考えれば合点がいくのだ。

 前編【「離婚発表として巧みな高等戦術」 なぜ加藤ローサに称賛の声が集まるのか 「出演番組で行ったことで炎上リスクを回避」】では、今回の離婚発表における加藤の「巧みさ」について、専門家の意見を紹介している。

週刊新潮 2025年9月4日号掲載

特集「トーク番組で初告白 加藤ローサ“同居離婚”を読み解く」より

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