平成ギャルは「叩かれて上等」の雰囲気あった 「見た目で判断されても、中身を見せればいい」

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逆に「意外としっかりしている」

――ギャルに対する周囲の反応は、どのようなものでしたか。

「チャラい」とか「不真面目」と見られることもありました。でも、「見た目で判断されても、ちゃんと中身を見せればいいや」と思っていました。逆に「意外としっかりしているんだね」と驚かれることが多くて、それが話題づくりや信頼につながることもありました。

――ギャルでよかったと思う瞬間は?

 一番は仲間ができたことです。見た目をきっかけに話しかけられたり、一緒に盛り上がれたりするので、仲間意識が強くなりました。あとは、明るく振る舞えるようになったのも良かったです。人との出会いも増えましたし、イベントや活動に声をかけてもらうきっかけにもなった。普通にしていたら関わらなかった世界に入れたのは大きかったですね。

――ギャルを続けていることで得られた強みはありますか。

「自分を出すことを恐れないこと」ですね。周りにどう見られても自分のスタイルを貫く。その経験が今でも大きな支えになっています。

――平成から令和へと時代が移る中、ギャル文化をどのように見ていますか。

 今の子はSNSをみんなやっていて、情報が多すぎて、どれが本当か見極めるのが大変だと思います。中には「叩かれたくない」という子もいますが、気持ちはわかりますね。昔は「叩かれて上等」みたいな雰囲気がありました。

――ギャルの服やメイクについてはどう感じていましたか。

「お姉さん系の人が好きな格好をしているのと同じなのに、なぜギャルだけ悪く見られるんだろう」と疑問でした。そうした風潮を変えたいという気持ちはありました。時代とともにギャルのイメージもどんどん変わってきて、今は大人にも通用するギャルが増えましたね。

――ギャルをやめようと思ったことはありますか。

 やめようと思ったことはありません。途中で「このままでいいのかな」と考える瞬間はありましたが、自分らしさの一部になっていたので、自然と続けていました。ギャルというのは、好きなことを貫くことだと思っています。

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 第4回【19歳で起業した「ギャル社長」 40歳・シングルマザーの今 息子に「自分でChatGPTに聞いて」】では、現在のプライベートや子育てについて語っている。

藤田志穂(ふじた・しほ)
1985年、千葉県出身。10代でギャル雑誌の読者モデルとして活動後、19歳でマーケティング会社「G-Revo」を起業し、“ギャル社長”として注目を集める。以降、アーティスト活動や「ノギャル」「ご当地!絶品 うまいもん甲子園」など、若者・食・地域をつなぐプロジェクトを数多く手がける。現在は全国食の甲子園協会会長、Office G-Revo相談役として、食育や地域活性、人材育成を軸に活動している。

デイリー新潮編集部

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