決勝戦でも疑惑が… 夏の甲子園“誤審”でSNS炎上も「情実判定は消えない」と言われるワケ
ことごとく横浜びいきの判定
広島・広陵高校の出場辞退という不祥事に揺れた甲子園は、地元出身選手が躍動する沖縄尚学の優勝でハッピーエンドと相成った。
だが一方で、これほど誤審が話題となった大会もなかったのではないか。
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「特に、準々決勝の県岐阜商対横浜戦はひどかった」
とスポーツライターが首をすくめる。
「当ててないのにデッドボールにされたり、併殺のはずが打者走者セーフとなって2者が生還したり、ライト線上に落ちたヒットがファウルとされたり、ことごとく横浜びいきの判定で、“そこまで横浜に勝たせたいか”とあきれました」
県岐阜商が勝利したから大きな騒ぎにならなかったものの、ネット上では検証動画が出回り、批判の声も上がった。
「高校野球の審判の技術がプロと比べて拙いことは確かですが、アマ野球は想像以上にしがらみでがんじがらめになっている。まして、選手や監督の人生が決まる甲子園の大舞台。情実判定が消えることはないですよ」
決勝戦でも“疑惑”が
西東京・日大三高との決勝戦でも物議をかもした判定があった。
7回表、沖尚打者がいったんは三振と判定されるも、アピールして死球に覆った。が、巷に出回る動画ではグリップエンドに当たったようにも見える。つまり“誤審”が疑われるわけだ。
球審は、日大三高監督にこそ伝令を通じて説明したが、観衆のことは放ったらかし。“審判の判定は絶対”と教育しているであろう監督や選手たちは矛を収めたが、あらゆる角度から動画を撮影しているのは観衆だ。彼らの一部が納得しなければ、動画が拡散され炎上するのは必定である。
「この回、日大三高の投手が踏ん張って零封したから大事に至らなかったものの、これが勝敗を左右していたら、たたかれるのは審判団。監督に説明が必要なほど微妙な判定なら、入場料を払っている観衆に向けても場内アナウンスすべきではないでしょうか」
ビデオ判定導入は「今すぐ可能」
課題は他にもある。
「MLBやプロ野球のように、高校野球もビデオ判定を導入すべきでは。少なくとも甲子園は技術的に今すぐ可能です。審判の威厳を損なうものでないどころか、むしろ審判を誹謗中傷から守ってくれます」
昔から誤審はあり、多くは忘れ去られてきた。だが、SNSが浸透した現代では、消えるどころか拡散される。
隠蔽(いんぺい)しても白日の下にさらされる部内暴力事件と同様、誤審問題もまた時代に見合った対策が求められよう。



