19歳で起業した「ギャル社長」の今 40歳でも変わらない経営者マインド「一度決めたらやるしかない」

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今の子は「すごく現実的」

――現在、40歳。不惑ですが、心境に変化はありますか。

 私は感覚的で「どうにかなるだろう」と思うタイプ。もともとあまり悩みませんが、「一度決めたらやるしかない」という考え方です。会社のスタッフがしっかり支えてくれるのでバランスが取れています。

――経営者としてのマインドは?

「自分が選んだ道は自分の責任」という意識は常に持っています。人のせいにはしません。自分で道を切り開くというより、周りからヒントやサポートをもらいながら走ってきた感覚です。

 昔は「絶対自分でやってやる」という気持ちが強かったですが、今は助けてもらうことの大切さを感じています。困った時に助けてくれる人がどれだけ周りにいるか、ですね。今は環境に恵まれていると実感しています。

――起業したのは19歳の時。藤田さんには、今の若者はどう映りますか。

「うまいもん甲子園」で出会う高校生や卒業生を見ていると、すごく現実的だなと思います。例えば、卒業生にインタビューで「夢はありますか?」と聞くと、「ないです」と答える子もいます。

 その子は調理師になることが目標で、その学校を卒業して調理師になれた。だから「夢だった目標は叶えました。今後は腕を磨くのみです」と言っていて、「自分の店を持ちたい」とかではないんですよね。すごく現実的だなと思いました。

――今の若者らしいですね。

 ほかにも、就職した子で「絶対に実家に陸路で帰れる場所じゃないと嫌だ」と言っていたのに、沖縄に配属されることになって「嫌です」と言った子もいます。上司から「お前は逃げるのか」と言われたそうですが、「逃げます」と言って辞めたそうです。

 昔なら「歯を食いしばって頑張らなきゃ」と思うような場面ですが、「逃げます」って言えるのも、自分を持っているなと思いました。

――「うまいもん甲子園」に出る子たちは特別なのかもしれませんね。

 自分の意見や思いをちゃんと持っている子が多い印象ですね。

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 第2回【「噂のギャル社長のメールだよ」「日本語、変だよね」 ガングロ、ド派手メイク…19歳を襲った誤解と偏見】では、19歳の起業当時のことなどを振り返っている。

藤田志穂(ふじた・しほ)
1985年、千葉県出身。10代でギャル雑誌の読者モデルとして活動後、19歳でマーケティング会社「G-Revo」を起業し、“ギャル社長”として注目を集める。以降、アーティスト活動や「ノギャル」「ご当地!絶品 うまいもん甲子園」など、若者・食・地域をつなぐプロジェクトを数多く手がける。現在は全国食の甲子園協会会長、Office G-Revo相談役として、食育や地域活性、人材育成を軸に活動している。

デイリー新潮編集部

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