「阪神・近本、FAで巨人入り」報道はフライングかスクープか 担当記者の目は

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かなり前から声掛けは

 どういうことなのだろうか。

「巨人のように金銭的に余裕がある球団に限らず、どんな球団でもFAのタイミングを迎える有力選手は事前に把握し、少しでも可能性があるなら前もってあいさつレベルでもアプローチを始めるのが普通です。近本にはかなり前から声掛けはしていてもおかしくないのではないかなと。何かしらひっかかりのようなものがあるならそれをきっかけに突っ込んでいくというか……。交渉に関して条件は誠意とみなされがちですが、そうはいっても限界はありますよね。現時点で巨人入りは極めて可能性は低いと見ています」(同)

 つまり巨人としては通常の業務を行っているだけであって、近本だから特別なことをしているわけではない、「巨人入りへ」というのはいささかフライング気味の見立てではないか、というのがこの記者の見解である。とはいえ、誠意という意味では阪神側の条件提示もかなり注目されるわけだが……。

最大限の誠意とは

「近本残留に関して、おそらくそれが最も懸念されるポイントでしょうね。球団としては最大限の誠意を示したいのは間違いないですが、金額以外にもさまざまな条件はあり、あまりに的外れな提示をしてしまってそれが悪しき前例になってしまう可能性もある。行き違いや誤解を回避すべく下交渉はもうずいぶん前から何度も繰り返しているのは間違いないでしょう」(同)

 すでにセ・リーグのペナントレースの結果は阪神優勝でほぼ決まっているため、ストーブリーグの話題が8月から浮上しているというのが実態だろうか。かつて阪神の岡田彰布前監督が巨人について「タイトルホルダーをごっそりカネで買い漁ってきたチーム戦力」と、育成そっちのけ、カネにものを合わせた補強戦略を笑って揶揄したことがある。

 いずれにせよ、昨年、FA宣言をして巨人が強烈なアプローチをかけた大山悠輔ほど話題にならないというのが記者の見方のようだが、果たして――。

デイリー新潮編集部

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