「爆笑レッドカーペット」が話題になった明確な理由 ショート動画時代に見えた可能性

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1組あたり1~2分

 8月11日に放送された「爆笑レッドカーペット~真夏のオール新ネタ60連発!大復活SP~」(フジテレビ系)が話題を呼んでいる。2008~2010年にレギュラー放送されていた人気ネタ番組「爆笑レッドカーペット」の復活特番である。最近勢いのある若手芸人たちに加えて、オードリー、しずる、狩野英孝などレギュラー時代に出ていたメンバーも集結していた。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 特に注目されていたのは「ノンストップスーパーショートカーニバル」というコーナー。ジョイマン、くまだまさし、クールポコ。、ゆってぃなど、爆発力のあるネタを持つ芸人が続々と登場して、会場を盛り上げていた。

 この番組が大反響を巻き起こしたのは、単に懐かしい番組が帰ってきたからというだけではない。そこには明確な理由が考えられる。

 この番組は2007年に特番として始まり、2008年にレギュラー化された。芸人が次々と短い持ち時間でネタを披露する「ショートネタ」の形式を定着させた功績が大きい。1組あたり1~2分ほどで一気に笑いを取るそのテンポ感は、当時のテレビ界に新しい風を吹き込んだ。

 芸人にとっては限られた時間で実力を試される厳しい場所でもあり、視聴者にとっては「次は誰が出てくるのか」とワクワクしながら楽しめる見世物の場だった。ここから人気に火がついて有名になった芸人は数多く存在する。短時間で見る人の心をつかんでウケることができれば一気にブレークすることもあるが、逆にウケなければ次は呼ばれなくなる。そんな厳しい環境の中で多くのスターが生み出されてきた。

 ただ、時代が進むにつれて、ネタ番組そのものが地上波から姿を消していった。バラエティ番組はトークや企画中心へとシフトし、芸人は「ネタをやる人」から「トークをする人」へと求められる役割が変わった。ネタを純粋にテレビで楽しめる場は「M-1グランプリ」や「キングオブコント」のようなコンテスト番組以外にはほとんどなくなってしまった。

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