「ひだまりの詩」大ヒットのウラで進んでいた危機 理想の夫婦はなぜ、離婚してしまったのか

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元夫が懇願「歌はやめないで」

――音楽活動をやめようとした時、隆二さんから何か言われましたか。

 隆二さんからは「お願いだから歌はやめないでくれ。あなたが頑張っている姿を見れば、自分も頑張れるから励みになる」と言われました。それだけは踏みとどまりました。

――離婚後の関係はどうですか。

 絶縁状態ではありません。誕生日にお祝いの言葉を贈り合ったり、共通の知人に関する連絡を取ったりすることもあります。今の方が穏やかにやり取りできているかもしれません。最近も、お世話になったケイダッシュの川村(龍夫)会長が亡くなった件で話をしました。

――2015年9月、「爆報! THE フライデー」に隆二さんと一緒に出演されました。その時は活動休止から10年、活動終了から8年半ぶりに「ひだまりの詩」を歌唱披露しました。出演の経緯を教えてください。

 出演の条件として、私が続けている「子どもたちと歌うOMOIYARI音楽会」を映像で紹介してほしいとお願いし、制作側も「それはぜひやりましょう」と言ってくれて、その約束で出演を決めました。

――放送はご覧になりましたか。

 見ませんでした。ちょっと日本にいたくないと思い、ちょうど夏休みが取れたので放送の時には香港にいましたね。

――隆二さんと“よりを戻す”可能性は。

 ないです(笑)。(再婚については)まず相手がいないから、考えることもない。だんだん“一人ペース”っていうのができちゃってきているから、ここに誰かがいるって、結構大変。年を取って結婚するって、今度、死ぬのが近いじゃないですか。家族や相続、病気や介護……そういうのを全部引き受けられるほどの精神力と体力があるかどうかですね。今は猫と暮らしています。

――猫について教えてください。

 今、11歳。多分、人間の年で換算すると私より年上で、女の子です。本名が「エルサ」。保護猫でその名前がついていて、みんなが「エルちゃん」って親しんでいたから、変えないで、そのまま。今は「エルサ」じゃなくて「エルたん」って呼んでいますね。

――今後の歌手活動はどう考えていますか。

 両親がくれた喉なので、歌える間は頑張りたいです。かかりつけのクリニックでは、いつも喉を褒められるんです。首は細いのですが、その中が大きいらしくて、「狭い部屋にグランドピアノを入れているみたい」って。それをほぐす施術をしていて、先生が「いい喉を持ってらっしゃいますね」と言ってくれます。最初はお世辞だと思っていたけど、あまり言ってくださるので、「両親がくれた喉だから大事に使っていきたいな」と思っています。

「ひだまりの詩」もキーを半音高くしたら、以前よりも歌いやすくなったんです。大事に歌っていきたいですね。

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 第3回【酒井法子か、松たか子か、「誰が歌っているのか?」と噂が噂を呼び…「ひだまりの詩」思わぬ大ヒットの裏側】では、「Le Couple」デビュー当時の話や大ヒット曲「ひだまりの詩」にまつわるエピソードを明かしている。

藤田恵美(ふじた・えみ) 1963年、東京都清瀬市出身。幼少時から劇団に所属し芸能活動を続ける。1994年にLe Couple(ル・クプル)としてデビュー。1997年に「ひだまりの詩」が180万枚の売り上げを記録し、NHK紅白歌合戦に出場。2001年からソロプロジェクトを始動。アジア各国で洋楽カバーアルバムが「聴く薬」と呼ばれ45万枚の大ヒット。2012年にはリリー・フランキー氏の総合プロデュースによるオリジナルアルバム「花束と猫」で、日本レコード大賞「優秀アルバム賞」を受賞。2008年に愛知県の小学生と共につくった「OMOIYARIのうた」が全国の子どもたちに歌われ始め、2010年から全国を廻っている。

デイリー新潮編集部

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