「ゴミ箱の上に何時間も正座させられて“血”が…」 イチローも過ごした「地獄の寮生活」を野球部OBが証言

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深夜に鉄拳制裁は日常茶飯事

 無論、体罰も日常茶飯事だった。

「グラウンドにボールが落ちていただけで、下級生は深夜に集合させられ、鉄拳制裁を受けます。さらにキツかったのは伝統の『ゴミ箱正座』でした。上級生の虫の居所が悪いと、金属製のゴミ箱の上に何時間も正座させられる。最悪の場合、朝まで続けさせられることもあり、そうなると金属の縁がスネの肉にめり込んで、血が垂れてきます。どれだけ野球がうまかろうと先輩方は容赦なかったので、イチローさんも絶対に経験しているはず」(前出の元野球部員)

 他にも、1年生は食事の際に醤油を使ってはいけないなど、不条理のオンパレードだったという。

 当時、愛工大名電高の監督を務めていたイチローの恩師、中村豪(たけし)氏(83)はこう語る。

「入学後、すぐに夏の県大会でベンチ入りしたイチローは上級生からやっかまれ、イビられました。そこで私は2学年上の先輩キャッチャーに“チームにとって大切なイチローを守れ”と、ボディーガード役を命じた。とはいえ、寮生活は大変だったと思います。よくぞ3年生になるまで辛抱してくれた。今や殿堂入りまで果たしてくれて感無量です」

週刊新潮 2025年8月14・21日号掲載

ワイド特集「なぜ日本人は間違えたのか」より

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