フジ夏ドラマが「全滅」も 業界内では意外と「高評価」 配信シフトで「若者」を取り込めるか

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重要視されない「世帯視聴率」

 森川といえば、金魚すくい、けん玉、クレーンゲーム、石投げ水切り、ロックバランシング(石積み)、ゴム銃、手書き看板、ダイス・スタッキングなど、さまざまな達人技を短期間で習得する驚異的な能力で知られており、「ワイルドスピード森川」と呼ばれるほど。プラスチック製のカップを決められた型に積み上げたり崩したりしてスピードを競うスポーツ・スタッキングでは日本新記録を樹立し、日本代表としてアジア大会への出場経験もある。「スティンガース」では米国FBI仕込みのおとり捜査で難事件を次々と解決する頭脳明晰な刑事を熱演しており、劇中で見せる七変化の衣装も森川らしいと話題だ。

「『スティンガース』は旧ジャニーズ事務所のアイドルグループ・WEST.の藤井流星の振り切れた怪演もスカッとしますね。事務所の先輩だった 生田斗真(40)の主演映画『土竜の唄』シリーズを彷彿させるほどエネルギッシュで、しかも森川との掛け合いが爆笑モノです。8月5日放送の第3話で描かれた仁井谷グループ 巨額投資詐欺事件は、昨年、Netflixで配信され大ヒットした連続ドラマ『地面師たち』のようなハラハラドキドキが続きました」(前出のテレビ誌編集者)

 中居正広氏による性加害問題でどん底に落ちたフジだったが、株主総会を無事に切り抜け、スポンサーも広告出稿を再開し始めている。そんな矢先にドラマの視聴率が盛り上がらないことには悔しさもあるだろう。

「フジに限ったことではありませんが、若者のテレビ離れで視聴者は高齢層というのが現状です。若者層はスマホがあればTVerなど見逃し配信をいつでも見られる。実際、8月12日現在のTVerのドラマランキングを見ると、視聴率で独走状態にある日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)を押さえて『明日は~』が2位、『僕達は~』が5位、『愛の、がっこう。』は9位と健闘しています」(民放キー局関係者)

 確かに、昨今のテレビ業界で世帯視聴率は以前ほど重要視されていないのが事実である。

「視聴率はCM収入を得るための最大の指標ですが、昨今は配信にも注力しないとテレビ局に未来はありません。5年後には配信収入が放送収入の半分近くになるという予測もあります。若年視聴者層を意識したドラマ制作を進めるフジの戦略が吉と出るか凶と出るか、注視する必要があります」(同前)

 ドラマの制作能力に関しては定評のあるフジテレビ。配信シフトで巻き返しとなるのか。

デイリー新潮編集部

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