フジ夏ドラマが「全滅」も 業界内では意外と「高評価」 配信シフトで「若者」を取り込めるか

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前回は好調だった月9

 月9の場合、前期に放送された小泉今日子(59)&中井貴一(63)主演の「続・続・最後から二番目の恋」の最終回が世帯8・2%、個人4・8%と好調だったため、その跡を継いだ「明日~」の下落基調が目立つ格好に。

「『二番目の恋』はシーズン1やシーズン2も見ていた往年の視聴者から支持され、小泉と中井という大物キャストの再々タッグが話題性を高めました。一方、『明日は~』に主演する福原遥は2022年度下期の朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK)のヒロインに抜擢され、現在放送中の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(同前)で大河ドラマ初出演を果たした有望株。ですが、『明日は~』の福原は“元刑事に見えない”と離脱者が続出している模様です」(前出の放送ライター)

 警察のおとり捜査を描いた「スティンガース」、科学の力で事件を解決する「最後の鑑定人」、Snow Manのラウールが歌舞伎町のホスト役で出演する「愛の、がっこう。」も話題は先行したが、それぞれの初回視聴率は世帯5・0%と個人2・8%、世帯5・0%と個人2・5%、世帯4・7%と個人2・6%で厳しい数字だ。

 特に「愛の、がっこう。」はフジの木曜劇場枠史上、最低の視聴率で発進という不名誉な結果に。とはいえ、今夏のフジのドラマについては業界内で意外と評価が高いのだ。

「『明日は~』は児童虐待や保護者のネグレクトなどを題材にしながらも穏やかな展開ですし、『僕達は~』も登校拒否や理不尽な校則に対する問題提起がありながら磯村勇斗と堀田真由のバディ感が爽やか。両作とも子どもと大人の関係性を問う社会性にあふれた意欲作で、脚本がよく練られていてじっくり見ることができます。

 また、『最後の鑑定人』は謎解きの面白さで引き込まれますし、ホストを主要キャラにするのはいかがなものかと物議を醸した『愛の、がっこう。』も“禁断の愛”が佳境に入り切なくなります。中でも私が注目するのは『スティンガース』で、GP帯の連続ドラマ初主演となった森川葵の弾けっぷりがいいですね」(テレビ誌編集者)

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