黒髪を貫き、スキャンダルは皆無 王道アイドル「道重さゆみ」が“最高の推し”だったワケ

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14日のライブで引退

 2025年8月14日のライブツアー千秋楽をもって芸能界引退を表明している、元モーニング娘。の道重さゆみ。彼女がハロプロファンのみならずアイドルファンにも愛され、引退が惜しまれる経緯を改めて振り返ってみたい。【大宮高史/ライター】

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 7月13日で36歳になった道重は、この7月から8月にかけて、出身地の山口県も含めた最後のライブツアーを開催していた。ほぼ専属でモデルを務めてきた雑誌『美人百花』も彼女の引退とともに休刊が決まり、いっそうお別れムードがただよう。

 36歳になっても唯一無二のかわいさを保つ道重が、芸能界入りしたのは22年前の2003年、黄金期にあったモーニング娘。の6期オーディションに合格してのこと。ただ当時は目立った存在ではなく、並みいる先輩メンバーを前にキャラ付けも定まっていなかった。歌では加入後初のシングル「シャボン玉」で初めてもらったソロパートはセリフ部分だけ、当時のことは「歌に音程があることを知らなかった」と自虐ネタにするほどだ。

 そんな道重に、芸能界の“相棒”との出会いがやってきたのが2007年、MBSのラジオ「ヤングタウン土曜日」のレギュラーアシスタントに抜擢されてのこと。パーソナリティーの明石家さんまとの丁々発止のトークで、後のぶりっ子的なキャラクターやトーク力が磨かれていくことになる。

 そもそも、道重がこの番組のアシスタントに決まったのが、同期で先にレギュラー出演していた藤本美貴の突然の脱退で道重に白羽の矢が立ったため。偶然転がり込んできたチャンスだったが、「小学生の頃の友達はダンゴムシ」というほど陰キャキャラだった道重に、どんどん突っ込みを入れてくるさんまの相性がピタリとハマった。毒舌とも違うさんまの嫌味のないトークが、道重の日ごろの本音を引き出してくれていた。

「ヤングタウン土曜日」は、モーニング娘。が所属するアップフロントエージェンシーのタレントが代々アシスタントを務めてきた番組であり、道重以外のメンバーも週替わりで出演。この内輪のような空気感もプラスに働いた。時に先輩タレントのスキャンダルもトークのネタにしてしまい、道重の“毒舌ぶりっ子”キャラも開拓されていく。

 モーニング娘。の世代交代とともに道重も先輩ポジションになっていき、2012年の5月には8代目リーダーに就任する。すでに国民的アイドルの地位はAKB48グループに移っていたが、その毒舌やぶりっ子ぶりは「踊る!さんま御殿‼」(日本テレビ系)などでもいかんなく発揮。Berrys工房の“ももち”こと嗣永桃子と共に、バラエティーでもつめ跡を残すハロプロアイドルになった。モーニング娘。現役メンバーの牧野真莉愛や元乃木坂46の高山一実など、道重のスタイルに憧れたアイドルも少なくない。

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