甲子園春夏連覇へ好発進! 横浜高校を支える「松坂世代の遺産」 選手は全国から集結…レギュラーは愛知出身が“最大勢力”
今大会で春夏連覇を達成すれば
ただそういった“過去の遺産”だけが選手が集まる理由ではない。神奈川県内の他校の監督は以前、「(横浜高校に対する人気は)横浜という地名、『横浜高校』という名前自体がかっこいいからではないでしょうか?」と話していたが、学校の名前自体がブランド化している部分も大きいという。
“横浜ブランド”を作ってきたのはプロで活躍する多くのOB達だ。横浜と対戦経験もある他県の学校の監督はこう話す。
「2010年代はどちらかというと神奈川県内でも東海大相模の方が優勢でした。横浜は、2006年の選抜を最後に、甲子園でしばらく優勝から遠ざかっていました。それでも、プロには選手を輩出し続けており、近藤健介(ソフトバンク)、柳裕也(中日)、万波中正(日本ハム)らが活躍しています。そうなると、プロを目指すなら横浜とのイメージが、有望な中学生の中でも強くなり、ブランド化されたところが大きいのではないでしょうか」
現在のNPBでプレーしている横浜の卒業生は20人に及び、高校別では最多の数字である。甲子園でなかなか勝てない時期でも、選手個人の能力を伸ばしてきたことが、有望選手からの人気に繋がっていると言えそうだ。
中学時代に評判だった選手を集めれば、結果が出るほど高校野球は簡単なものではない。
前出の奥村も、多くの高校からの誘いがあった中で、横浜だけが厳しい言葉をかけてきたという。これが「横浜進学の決め手になった」と話している。甘い言葉だけでなく、選手が成長するための道筋をしっかりと示していることも、選手にとっては魅力といえるだろう。
今大会で春夏連覇を達成すれば、横浜の“ブランド力”はさらに強まるが、それにストップをかけるチームは出てくるのか。今大会の大きな注目ポイントだ。
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