「娘が“ママーッ!”と駆けてきて…」 日航ジャンボ機墜落で亡くなった「坂本九さん」の妻が明かすテレビから最愛の夫の名前が聞こえた瞬間
「再婚は考えなかった」
結婚から半世紀以上が過ぎた現在も、坂本さんと過ごした都内の地に居を構えている。
「20年ほど前に家を建て替えたのですが、それが一つの区切りになったように思います。新しい家に友人を招いたり、バラを育てたり、できる限り楽しいことを考えるようにしました」
新たな住まいにも、坂本さんの“居場所”が存在する。
「1階には主人のコーナー、2階には主人の背広を並べた場所があります。交際前に主人から渡された、電話番号を書いたメモも保管しています。結婚生活は幸せな思い出ばかりなので、遺品も残しておきたいんです」
経過した時の長さを実感することもある。
「主人だけが若いままで、長女は51歳、次女は48歳になり、二人とも主人の年齢を追い越しました。存命なら彼は83歳。歌番組などで芸歴の長い歌手の方を見ると“生きていたらこの方と共演していたかも”と、ふとした瞬間に思ったりします。再婚は考えませんでした。それだけ主人が私にとって大きな存在だったということでしょう」
そう言って自宅にてほほ笑む彼女のそばで、大きなポートレートに収められた往時の坂本さんが笑顔を見せていた。








