もちろん1位は孫正義氏の「株長者番付」 トップ15にランクインした“意外な人物”とは

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大阪・関西万博で期待?

 世界的株長者のウォーレン・バフェットとまではいかなくても、わが国ではどんな人物が株長者なのか。日経新聞が3月期決算企業の役員のうち保有する自社株の金額ランキングを載せたのは7月25日のこと。

 それによると、発表された上位15人のうち1位はソフトバンクグループの孫正義氏(4兆4863億円)で、2位はキーエンスの滝崎武光氏だった。メルカリの山田進太郎氏やファーストリテイリングの柳井正氏は決算期が違うので登場しないが、3人の意外な人物がランクインした。1人目は神戸市に本社を置く「大栄環境」社長の金子文雄氏だ。保有株時価は1941億円で3位である。同社は産業廃棄物の処理を行う会社で、金子氏は資産管理会社を通じて約61%を握っている。でも産廃業ってそんなに儲かるのか。

 雑誌「経済界」編集局長の関慎夫氏によると、

「同社は西日本を中心に事業を展開していますが、期待されているのは大阪・関西万博が終わった後に出る産業廃棄物。ほとんどのパビリオンが取り壊されますから、その処理費用は膨大なものになるはずです」

 そんな期待もあってか、2022年に上場した同社の株価は1.5倍以上になっている。

「ラウンドワン」社長も

 2人目は12位の大和工業会長の井上浩行氏。保有株時価は671億円だ。同社は鉄スクラップから製鉄する電炉メーカーだが、売り上げに対する純利益が2割近くもある。USスチールを買収した日本製鉄より“儲け上手”なのだ。

「同社の井上会長は、創業2代目の経営者ですが、早くから海外の製鉄メーカーとの協業に乗り出しており、アメリカ最大の鉄鋼メーカー・ニューコアとも合弁で事業を行っています。トランプ関税のダメージも少ないでしょう」(関氏)

 いやはや手堅い。

 そして、3人目がアミューズメント施設運営の「ラウンドワン」社長の杉野公彦氏である。保有株時価は878億円で、昨年の17位から一気に9位につけた。目を引くのは同社の売り上げの半分近くがアメリカであることだ。同社に聞いてみると、

「当社の杉野の持ち株は以前からほとんど変わっていません。国内においては人気アイドルへの“推し活”を売りにしたカラオケや、海外ではアメリカの事業が伸びている。これらが成長ドライバーとなって株価も伸びているのでしょう」(広報担当者)

 こちらは新たな着想だ。

 ITや半導体ばかりが成長産業ではない、というわけである。

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