日テレは24時間テレビを「やめたくてもやめられない」 猛暑の中のマラソン、セクハラ騒動… 視聴者が違和感を抱いても続ける理由

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話題性狙いの人選にも食傷気味 音楽番組の衰退にも通じるジャニーズ枠と企画マンネリ化

 企画より注目されているのが、今年のパーソナリティーとして起用されたKing & Princeの永瀬廉さんと浜辺美波さんだろう。7月に「ペアルックお泊まりデート」がスクープされたがどちらも沈黙を貫いた。それだけに、番組でどんなやりとりがあるか関心を集めている。なおランナーの横山さんも、総合司会の水卜麻美アナと熱愛疑惑が報道されたことがあった。水卜アナは別の相手と結婚しているが、連想した人もいたようだ。

 企画の主旨そのものより、出演者たちに興味が湧いてしまうのは本末転倒。しかしもともと24時間テレビといえば、ジャニー喜多川氏存命時代から「ジャニーズ枠」の存在が認知されてきた。社名がSTARTOに変わったとはいえ、これまでの「ジャニーズ枠」がそのまま「元ジャニーズ枠」として温存されているのは変わらない。創業者の事件が詳らかになった後も所属タレントを起用し続けるテレビ局にも批判の目は向いたが、出演者選定の背景にあるのは信頼よりも「話題性」と「前例踏襲」ということがうかがえる。だが、現代の視聴者はそこにも不快感を覚えているのではないだろうか。

 その傾向は、各局の音楽特番の不振にも通じるものがある。かつては視聴率15%超えだった音楽特番も、今では1桁台の視聴率となるのも珍しくはない。SNSで先行配信もあるし、わざわざリアルタイム視聴しなくてもいい、という感覚が一般化したのも理由だろう。そこには司会や企画がマンネリ化しているという、24時間テレビとよく似た構造がある。

 日テレ「THE MUSIC DAY」の櫻井翔さん、TBS「音楽の日」の中居正広さん、フジテレビ「FNS歌謡祭」の相葉雅紀さん、テレビ東京「テレ東音楽祭」の国分太一さん……どれも司会は旧ジャニーズで、コラボ企画や平成と令和の対比など、似たり寄ったりの構成が多い。かつては確かに彼らや彼らの後輩グループが歌うと、その時間帯の視聴率は伸びた。でも事務所を抜け新体制で活躍するタレントも増え、他事務所のボーイズグループの勢いも目覚ましい。近年は顔出しNGの歌手だっている。すでに音楽番組は、リアルな熱狂を伝えるという役割を、単なる出演者頼みでは果たしきれなくなっているのではないか。

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