殺到する訪日外国人がいない場所はどこなのか…夏休みのオーバーツーリズムを回避する「山口」「秋田」の穴場観光地
【秋田県】
44位は東北に飛んで秋田県である。
県観光文化スポーツ部の三浦亜聖さんによれば、
「県を訪れるインバウンドの多くが、仙北市角館町の武家屋敷や秋田犬関連のスポットを訪れています。それらの陰に隠れて、まだ知られていないSNS映え度バツグンの絶景スポットが、いくつもあります」
その代表格が田沢湖だ。日本一の深さを誇り、四季折々に表情豊かで、とくにグリーンシーズンは新緑と瑠璃色の湖面のコントラストが美しい。しかも絶景を眺めるだけでなく、サイクリングや遊覧船などに加え、SUP(Stand Up Paddle Board)やテントサウナなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができる。
「SUPの魅力は、小学4年生から60~70代まで幅広い世代が気軽に楽しめることです」
とは、約3年前に田沢湖畔でアクティビティショップ「STAND UP TAZAWAKO」を立ち上げた角田大さん。田沢湖でSUPができるようになったのはここ数年のこと。「田沢湖ブルー」と呼ばれる透明度の高い湖から、四季折々の山をノンビリ眺めるひとときは格別。SUPの上から、防水カメラなどでSNS映えする写真を撮る人も多く好評だそうだ。
気になるインバウンド勢の様子を角田さんに尋ねたところ、
「時折、団体客は来るものの、湖畔をしばらく眺めてサッと移動するケースがほとんど。その他は旅慣れた欧米人のバックパッカーらがポツポツ来る程度です」
団体客を受け入れる大きな宿が近くにないのも、オーバーツーリズムにならない一因だろう。
もう一つ、秋田の絶景といえば男鹿半島南部の鵜ノ崎海岸(男鹿市)。「秋田のウユニ塩湖」としてSNSで話題となっているが、「インバウンドは多くない」と前出の三浦さんは太鼓判を押す。
「干潮時には海岸線から200メートルにわたって浅瀬の岩場が広がり、沖の方まで歩いていけるんです。風のない穏やかな日の水面は鏡のように反射し、気持ちが晴れるような美しい景色。何時間でもボーッと見ていられます」
ちなみに、この海岸のすぐ近くには、漁師が運営する直売所を改修したスポット「鵜ノ崎テラス」があり、絶景を眺めながら海の幸をふんだんに使ったランチを楽しむことができる。
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有料版「【考察・インバウンド】夏休みはどこもかしこも旅行者だらけ……だからこそ『宿泊旅行統計調査』で探る外国人が知らない『穴場観光地』ベスト5の実名とは」では外国人であふれかえる日本の観光地の中でも、インバウンド旅行客が少ない穴場の観光地を紹介している。




