本人の意図や計算を超えて「笑いが生まれてしまう」 人気が再燃している「狩野英孝」の魅力

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スキャンダルを乗り越えて

 狩野英孝の人気が再燃している。一時は毎年のように不倫、二股交際、未成年女性との交際などの疑惑を報じられ、芸能活動を自粛してテレビに全く出ていない時期もあった。だが、そこから見事に復活を果たし、今ではテレビに出るたびに強いインパクトを残す超メジャー級のバラエティタレントとして活躍している。

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 そんな彼の好調ぶりを改めて印象付けていたのが、7月10日放送の「アメト――――――ク 3時間SP」(テレビ朝日系)で行われた「ビビリ-1グランプリ」という企画だった。人一倍怖がりで驚かされるのが苦手な芸人たちが集められて、彼らのリアクションを楽しむというシンプルな企画である。

 この企画の常連組に加えて、稲田美紀(紅しょうが)、河井ゆずる(アインシュタイン)、エース(バッテリィズ)などのニューフェースも出演していた。

 メンバーの中でも突出した存在感を放っていたのが狩野英孝である。彼は自ら「笑いを生み出す」というよりも自然に「笑いが生まれてしまう」タイプの芸人であり、本人の意図や計算を超えて、生の反応が爆発的な笑いに昇華してしまう稀有な存在だ。驚かされたときの取り乱し方、そのときの発言や立ちふるまいなど、すべてが彼にしかできないオリジナルな「芸」として成立している。

 狩野の言動は常に予測不能なのだが、ひどい目に遭っていても見る者に「かわいそう」と思われて後ろめたさを感じさせることはなく、むしろ「もっと見たい」と思わせる。それは持って生まれた「かわいげ」と「純粋さ」に裏打ちされており、それがオンリーワンの魅力となっている。

 この企画の中でも、狩野は単に驚くだけではなく、ピュアなリアクションの意外性のある面白さで存在感を示していた。自分の意図しないところで大きな笑いを生み出すその才能には、一切の陰りが見られなかった。

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