Netflix「K-POPアニメ」空前の大ヒットで「ディズニー」は歯ぎしり 製作元は大量退社騒動で続編に暗雲
続編頼みの「ディズニー」
「K-POPデーモン・ハンターズ」の大ヒットを横目に穏やかでないのは世界的企業のアニメ王国・ウォルト・ディズニーだという。ディズニー製作の「アナと雪の女王」(原題:Frozen、2013年)の主題歌「レット・イット・ゴー」は、Billboard Hot100でトップ5にランクインし、全世界でレコードが1090万枚を売り上げるなど輝かしい成績を残した。
その一方で、「K-POPデーモン・ハンターズ」と同じ日に全米劇場公開されたディズニー傘下ピクサーの最新SFファンタジーアニメ「星つなぎのエリオ」(日本8月1日公開)の初週の興収は、わずか2100万ドル(約30億円)。通常のアニメ大作の倍近い約290億円の予算を投入したにもかかわらず、ピクサー史上、最低記録という大爆死となってしまっている。予想もしなかったK-POPアニメの大ヒットに歯ぎしりすることしきりだろう。
「ディズニー・ピクサーはここ数年、『インサイド・ヘッド2』や『モアナと伝説の海2』などヒット作にあやかった続編が目立ちます。秋以降も『ズートピア2』『トイストーリー5』『アナと雪の女王3』など続編頼みです。
そんな中、今回配信公開された『K-POPデーモン・ハンターズ』は挿入歌のクオリティーが高く、『イカゲーム』やBTS、BLACKPINKなど大ヒットしたK-POPアイドルのキャラクターやオマージュを随所に取り入れた斬新な仕上がりとなっています。
全米ではエンディングシーンに号泣した視聴者のリアクション動画がYouTubeに続々と上がり、それを見た視聴者が『K-POPデーモン・ハンターズ』をリピート視聴するというブームが広がっています。続編製作は間違いないところでしょう」(前出の放送ライター)
ところが、製作したソニー・ピクチャーズもドタバタのお家騒動劇を見せている。韓国メディアによると、「K-POPデーモン・ハンターズ」の公開時期に、同作のアートディレクターや美術スタッフが大量退社してしまったという。
「辞めたアートディレクターが、映画製作中にある幹部から暴言や差別的な態度を受けたとしてSNSで告発したのです。さらに、このディレクターは悔しさと憤激のあまり『続編が作られても自分は呼ばれないだろう』と突き放すほどでした。結局、告発された幹部はその後、退社に追い込まれました。アートディレクターは『特定の幹部に責任があって、会社全体ではない』としていますが、今後、ソニーに戻ってくるかは不透明です。そのため、『K-POPデーモン・ハンターズ』の続編にも暗雲が漂っていると言われています」(韓国メディア関係者)
「K-POPデーモン・ハンターズ」はすでに今年のアカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされるべきだと米有力映画メディア「Variety」が報じている。
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