「FF外から失礼します」って意味あるの? バカ丁寧な「ITマナー」「SNSしぐさ」への違和感を「ネットニュース編集者」が敢えて問う
FF外から失礼します
【既読スルー(を問題視する)】
LINEや各種メッセンジャーで読んだにもかかわらず返事をしない人への批判的な評価。ないしは、悲しみ・遺憾の意の表明。上記「踏み逃げ禁止」と同じにおいを感じる。グループで既読スルーを特定のメンバーにだけして陰湿にいじめる、という技もある。
【FF外から失礼します】
Xで時々見るのだが、投稿に対して「FF外から失礼します」と書かれる。「ファイナルファンタジーと何が関係あるのだ?」と最初は思ったのだが、「フォロー・フォロワーではない関係」のことだ。要するに、その投稿をした人に対して何か意見を言いたいものの、フォロー関係にない自分があなた様に意見することをお許しください、ということだ。やめてくれ……。投稿しており、コメントをしてもいい設定にしているのに何の丁寧プレイだよ。
【無断RT(RP)禁止】
Twitterのプロフィールに「無断RT禁止」と書く人が時々いた。Xになった現在はRPだが。勝手にRT(引用)をされるのがイヤだという表明だが、Twitterの仕様としてRTができるようになっているのだからそれを禁止するというのもいかがなものか。その人にDMを送ったりコメントで「貴方様のこの投稿、RTしてよろしいでしょうか?」と聞く手順を求めているのならば、Twitterに向いていない。
【コメント許可制】
「FF外から失礼します」と関連してくるが、自分がフォローしていない人間以外のコメントを許可しない、と宣言する人もいる。あなたはSNSの利用に向いていませんので、コメントされてもキレないでくださいね。ただ、律義に守る人が多数派である。
本来はお会いし報告するべきなのですが
【ブログコメント欄の名前「通りすがり」】
ブログのコメント欄には常連が頻繁に書きこむことが多かったが、初見の人間が書きこむ場合、ハンドルネームは「通りすがり」となり、「初コメントさせていただきます」や「通りすがりで失礼します」などの前置きをする。コメント欄を開放しているのだから、不要なマナーである。
【リモート会議、一番の下っ端が最後に退出する】
複数名の会議の場合、その中で立場が一番下の者は、全員が退出したのを見届けてから自分も退出をする。同様に、この下っ端は会議にもっとも早く入ることが求められる。昭和の会社の「新入社員は提示の30分早く来て掃除しろ」やら、先輩社員が残業している場合新入社員は帰り辛い雰囲気がある、といったものに似ている。
【メールの「BCCにて失礼します」】
これが本当に意味不明なのだが、BCCを使った場合、かなりの割合でこの言葉が登場した時期があった。全然失礼ではない。某PR会社が以前私のところに送ってきたプレスリリースのメールは、なんと、200人ほどのメディア関係者のアドレスがCCで表示されていた! むしろこちらの方が問題だ。asahi.comやらbunshun.jp、tv-asahi.com、nhk.or.jpといった日本を代表するメディア企業の担当者の個人情報を巻き散らかしてしまったのである。
【退職メール】
「誰だっけ、こいつ?」と思った人間からのメールを開けるとその日付で退職することが記されている。とりあえず過去に連絡取った人全員に送っているのだろうが「本来はお会いし報告するべきなのですが、メールにて失礼します」と書く。いや、そんなこと会って報告したらあなた、何カ月かかるのよ。あと、このメールもいらないよ、と毎度思う。しかも内容は古巣に感謝し、ご指導ご鞭撻に感謝するもの。いや、こちらは何も指導・鞭撻していないが……。
【永遠に終わらないやり取り】
返事をしないと失礼だと思う人もいるのか。「分かりました。そのように進めます」と一旦の結論が出た後も「なにとぞよろしくお願い申し上げます」と返事をする。すると受けた方が下請けだったりする場合、「色々相談するかと思いますがよろしくお願いいたします」と返事をする。そういった意味で、メッセンジャーの「いいね」マーク等はやり取りを終える手段としては便利である。
このように、ネットという顔の見えない空間であろうとも丁寧過ぎて他人に配慮し過ぎる日本人的コミュニケーションというものが存在するが、合理的な外国人にとってはチンプンカンプンだろう。





