儲からないから日テレもTBSもやらない「再放送」 フジ、「ワイドショー」に切り替えて成功するのか

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「とれたてっ!」の行方は?

「イット!」の場合、「ぽかぽか」と「ハッピーアワー」のせいで、かなり割を食っていると見る。夕方のニュースワイド番組はどの局も他局のヒット企画を真似るから、全局が似たような内容になる。それなのにフジが1人負けするのは不自然なのだ。

 MCの青井実氏(44)に責任があるのかも知れないが、連日大敗するほどの非があるとは思えない。やはり平日午後帯の負の連鎖が大きいと読む。

 その打破に向けて期待がかかるのが「とれたてっ!」だが、関東で高視聴率を得られるかどうかは未知数。関テレの地元・関西での視聴率は、「ゴゴスマ」と「ミヤネ屋」がトップを争い、「とれたてっ!」がジリジリと迫っている。

 関東での成功のカギを握るのは、強い関西色が受け入れられるかどうかだろう。MCこそ元日テレアナで芸能プロのレプロエンタテインメントに所属する青木源太氏(42)だが、レギュラーコメンテーターには関西を背負っているような面々が並ぶ。

 メッセンジャーの黒田有(55)、ブラックマヨネーズの吉田敬(52)、小薮千豊(51)、橋下徹氏(56)らである。関東の視聴者は好みが分かれるのではないか。

 また、関東進出以降はこれまで通りの放送が難しくなるはず。たとえば1月31日の同番組は、フジの人権侵害問題を追及した「週刊文春」を激烈に批判した。

 文春が記事の一部を訂正したからだが、第3者委員会はこの訂正を問題視しなかった。ほかのマスコミ、ジャーナリストの多くも大きな問題と捉えなかった。この番組の文春批判は突出していた。

 関テレの筆頭株主はフジ・メディア・ホールディングスである。しかも放送当時の関テレ社長はこの問題の当事者の1人である大多亮氏(66)だった。関テレ自体がこの問題に無関係ではなかった。

 この放送が関東でも流れていたら、その中立性などを在京マスコミが問うただろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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