内田有紀の実妹を公表して話題の澪奈 なぜ芸能人の姉妹は「20代後半」でカミングアウトするのか 背景に焦りや承認欲求が
2世とは違う「25歳の壁」 売れている姉妹の存在が与えるプレッシャーと肥大する承認欲求の狭間で
兄弟姉妹という属性は、芸能界では「つながり」である以上に、「比較」のスタートラインでもある。それは親が有名人である2世タレントも同様だ。しかし、兄弟姉妹の場合は2世とは違う独特の感情が絡む。
親から受け継いだ血筋や育成環境に期待がかかる2世タレントに対して、姉妹タレントには「同じスタート地点にいながら、姉妹でなぜこれほど差がついたのか」という視聴者の比較感情が働いてしまう。さらに言えば、2世タレントは親と年齢も離れており、「時代の違い」「役割やキャラの違い」といった「逃げ道」がある。実際、親は俳優で2世はミュージシャンなど、異業種を選ぶケースも多い。
しかし、姉妹タレントは年齢も近く、何かと比較されやすい。ビジュアルやキャラクター、トークスキル、メディア露出の量……比較軸が多いぶん、視聴者の関心も引きやすい。同時代に、同ジャンルで勝負する以上、「姉のまね事」「妹の二番煎じ」と見なされやすいのだ。
ただ、有名姉妹「じゃない方」の女性たちにも反論はあるだろう。例えばNANAMIさんは美人読者モデルとしてすでに人気を博していたし、土屋炎伽さんもチアリーダーとして活躍していたことは有名だ。彼女たちを「美人過ぎる一般人」と、好意的に扱うメディアも多かったように思う。有村藍里さんや板野成美さんだって、もともと10代の時から芸能活動をしていたし、今話題の澪奈さんも、モデルやラジオパーソナリティーの実績は積んできたという。
けれども偉大過ぎる姉妹たちを間近に見ているというプレッシャーは、不必要なほどの焦りや承認欲求も生んでしまったのではないだろうか。彼女たちが有名姉妹の存在を「カミングアウト」したのは20代後半、という共通点がある。一部の才能ある女性を除いて、30歳を過ぎて大ブレイクするという女性タレントはそうはいない。「自分の名前だけでやり切るのは25歳が限界」だと、10代で売れた姉妹をすぐそばで見ているからこそ気付く過酷な現実もあったことだろう。また、結婚や出産といった人生の分岐点を考えた時、最後のチャンスとして「表舞台に立ちたい」「もっとスポットライトを浴びたい」と願うことは不思議ではない。
そうした思惑と、常に話題を探しているメディア側の要望が合致したという側面は否めない。事実、これまで無名だった澪奈さんのネット記事は、賛否両論合わせて大きな反響を巻き起こしている。
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