「ホスト」ドラマ乱発で視聴者がソッポか ラウール起用のフジ新ドラマが大コケの予感
憎しみや嫉妬、裏切り
「脚本の井上由美子氏(64)は2003年から翌年にかけて放送された唐沢寿明(62)と江口洋介(57)主演の『白い巨塔』、14年放送の上戸彩(39)主演の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』を担当しました。両作ともフジ木曜劇場の枠ですから、常連の登板と言えます。今回の主要キャラの職業は教師とホスト。『昼顔』のような憎しみや嫉妬、裏切りなど今後、波乱の展開が予想されます」(前出のライター)
確かに、ストーカー行為の末に海に飛び込んだ愛実と、義務教育も満足に受けられず自分の名前すら漢字でうまく書けないカヲル(それなのに韓国語はなぜかペラペラ)は対照的な人物だ。片や富裕層、片や貧困層というのも現代を象徴しているが、視聴率は今一つ跳ねなかった。
見逃し配信・TVerのお気に入り数も49万2000にとどまっている。その一方で視聴者の間で大きな話題となったのが、第1話最後に登場した注意書きだった。
本編終了後、画面上に「令和7年6月28日に改正風営法が施行されました。このドラマのホストクラブにおける一部表現には、違反となりうる営業行為が含まれています」と記されたのだ。さらに、改正風営法について番組公式ホームページ(HP)で解説もしている。
HPでは悪質ホストクラブへの注意喚起を呼びかけているが、果たしてどれほどの視聴者が確認しただろうか。ネット上では、「この社会情勢の中でなぜホストを主役級に扱うドラマを作ろうと思ったのか」「ホスト個人は良いとしても業界全体がダーティー過ぎる」などの声が続々と上がっている。
過去にも、ホストがメインキャラで登場するドラマはあったが、これほどの“炎上”は珍しい。
「実はホストがテーマのドラマは過去にたくさんあります。古くは2002年放送の渡部篤郎(57)&広末涼子(44)コンビによるTBS系『愛なんていらねえよ、夏』、10年の森口瑤子(58)、六角精児(63)出演のフジ系昼ドラ『インディゴの夜』、23年4月期の桜井ユキ(38)主演のフジ系『ホスト相続しちゃいました』、同7月期の山本千尋(28)主演のTBS系『埼玉のホスト』など。
さらには、24年7月期の小池栄子(44)&仲野太賀(32)のフジ系『新宿野戦病院』は歌舞伎町が舞台でホストが多数登場。10月期のTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』では主演の神木隆之介(32)がホストを演じています」(前出のテレビ誌ライター)
ホストを扱ったドラマがこれほど量産されているなら、視聴者は食傷気味になっていてもおかしくない。しかも、悪質ホストクラブに対する注意喚起をするほどなら「最初から別の企画にすればよかったのに」との声が出るのも当然だろう。ただ、ホストを描いたドラマが多いのは、テレビ局側の事情もあるようだ。
「ラウール扮する歌舞伎町のホストは愛情のない母親にカネを渡し、ホストクラブの寮ではカップラーメンをすする生活です。現役大学生のホスト仲間からは教養のなさをバカにされている。格差社会の現実を映し出すシンボルとして歌舞伎町のホストはある意味かっこうのキャラです。
一方でホストクラブはきらびやかでミステリアスな世界ですし、美少年&超イケメンの俳優がホストを演じれば、女性視聴者を呼び込めるという計算もあるのでしょう。ホスト=欲望、女性=純愛という二項対立の構図が分かりやすく、愛憎劇やカネの奪い合いなど伏線をあれこれ“盛れる”ので作りやすいのです」(フジテレビ関係者)
波乱の展開で視聴率は上向いていくのだろうか。
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