嘉門タツオが「万博になりたい」というワケ 2025年も10回超訪問 笑いと“今”のライブを続ける

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夢は『万博になる』こと

 今年の大阪万博には「万博はやっぱり万博」と確認するために行っているという。

「名古屋の愛・地球博(2005年)もそうだし、その後の上海、アスタナ(カザフスタン)、ミラノ、ドバイでも同じです。どの会場でも、人々があちこち動き回る様子は同じです。ただ55年前は、21世紀に向かって文明や科学技術が発展し、人類が果てしなく伸びる勢いがあったけど、今はより明確な未来像を提示しようとしていますよね。漠然としていて、幻想めいていた55年前とは少し違ってきていますね」

 近年は自身の夢として「万博になることです」と公言してもいる。

「万博のように、文化も歴史も音楽も食もあって、みんなで楽しく友好的に触れあう、そういう存在になれるように。60代後半から70代でその地盤固めをして、84歳でピークを迎えられればええと思ってるんですよ(笑)」

 ゆくゆくは「嘉門タツオ記念館」も作りたいとも。

「小学校時代の親友に、高倉というイベント会社の社長がいたんです。愛・地球博のあとに肺がんで亡くなったんですが、余命3カ月のときに『達夫、万博のバッジ、どうしよう?』って尋ねられた。一緒に1970年の万博でバッジを集めて競っていたからです。余命3カ月のときにそんなことをと思ったんですが(笑)、『それは記念館に並べて飾っとく』と約束しました。記念館にはほかに、アルバムのジャケットを額装した物も展示したりとかね。万博育ちだから『館』とつくものには憧れがあるんです」

ライブには“今”が必要

 8月3日に東京・渋谷PLEASURE PLEASUREで、11日には大阪・朝日生命ホールでライブ「嘉門タツオ2025夏 万博三昧!」を開催する。

「ライブは“今”が入ってるかどうかが一番大事。今ライブやるなら備蓄米のことは絶対言っただろうし、昨日今日起きた話題を取り入れることは大事です。単に扱えばいいのではなく、どう表現するか。虫が湧いて大変やったとか、万博のこれまでの振り返りなんかも入れようと思います。UAEパビリオンのレストランで食べたメニューの話も入れようかな(笑)。僕が歌う“現代”を聴きに来てほしいですね」

 東京と大阪、それぞれの会場で繰り広げられる嘉門ワールドで「万博を体験する」のもアリ、かもしれない。

 第1回【嘉門タツオ、替え唄メドレーの原点は「万博」? 21回観に行った少年時代 笑いと音楽の融合を模索して】では、小学生時代に体験した大阪万博と、自身の代表作「替え唄メドレー」との関係について語っている。

デイリー新潮編集部

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