中国に「2-0」勝利も「森保ジャパン」課題は攻撃陣か…名波コーチが「チャレンジしていこう」と鼓舞するも“個での勝負”に物足りなさ

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勝負を避けた俵積田

 ハーフタイムに名波浩コーチは「奪ったボールを確実に攻撃につなげようと話した。トライしたことがミスにつながったが、セイフティーにならずにチャレンジしていこう」と話して選手を送りだしたそうだが、やはりコンビネーションはそう簡単に熟成しない。

 先制点こそMF田中聡の鮮やかなタテパスをFW細谷が見事に収めて反転からのシュートで決めたが、それ以外はサイド攻撃がメインだった。

 しかし前日の韓国(対ホンコン・チャイナ戦)もサイドへ展開してのクロス攻撃がほとんどだったが、正確なクロスが入らないため得点の予感がしない。

 同じように日本も左はMF俵積田晃太、右はDF望月が突破を試みるが、クロスは不正確だし、1対1でもなかなか勝負を挑まない。

 世界選抜など世界各国の名プレーヤーを集めた試合では、“寄せ集めの急造チーム”だからこそ、選手は“個での勝負”を挑む。

 俵積田にはもっと積極的に勝負して欲しかったし、彼と連動した長友のオーバーラップも見たかった。

 フル出場した長友を、森保一監督を始めメディアも賞賛していたが、ベテランとはいえ確かな痕跡を残さないと次の試合で起用されるかどうかわからないし、W杯のメンバーにも残れないだろう。

 そうした意味でアピールに成功した選手もいれば、物足りない選手もいるここまでの2試合である。はたして韓国戦でブレイクする選手が出現するのか。それを楽しみに15日の日韓戦を取材したい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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