いまだ復帰のめどが立たない「佐々木朗希」が抱える“心のブレーキ” 元ロッテの先輩投手が「マイナーリーグで必死にプレーすること」を勧めるワケ

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苛酷なマイナーリーグ

 前田氏はロッテ、中日、巨人の3チームで2軍に落とされたことはなかった。だが調整のため登録抹消となり、2軍の試合に出場したことは何度もあったという。

「マイナーリーグに比べると、日本の2軍は本当に恵まれています。移動の距離は短いですし、ホームの場合なら試合が終わると寮で栄養バランスの取れた食事を出してもらえます。アメリカのマイナーはホームだと一人暮らしなので自炊です。試合で消耗した上、自分で栄養バランスを考えながら食事を作る必要があります。ビジターの試合では相手チームが食事を用意してくれますが、しっかりお金を取られますし、中には口に合わないメニューもあります。僕は遠征する時は携帯型の炊飯器をバッグに入れ、向こうでご飯を炊いたものです」

 前田氏が3Aオクラホマでプレーしていたのは、37歳から38歳にかけての時期。自ら選んだ道とはいえ、“オールド・ルーキー”として苦労を重ね、「なぜ自分はプロ選手としてプレーを続けるのか」と自問自答を繰り返した。

「非常に学ぶことの多い貴重な経験でした。だからこそ僕と同じことを佐々木投手にも体験し、自分を見つめ直してほしいのです。マイナーの選手は誰もがメジャーに這い上がろうと必死です。そんな環境でプレーを続ければ、佐々木投手は自分の心の中にあるブレーキが問題だと嫌でも気づくでしょう。マイナーで必死にプレーすることで、体調不良やケガとの付き合い方も学べるはずです」(同・前田氏)

肉体改造の必要性

 佐々木がマイナーで懸命に努力を重ね、自らの手でメジャーリーガーの座を勝ち取った時、野球選手としては何倍も成長しているはずだ。

 ちなみにネット上では佐々木の問題点として「体が細すぎる」という指摘が非常に多い。素人の当て推量かと思いきや、意外にも鋭い論点だという。

「いわゆる肉体改造には失敗のリスクが常に存在します。体重や筋肉量を増やしてみたけれど、体が重くなりすぎて動きが鈍くなる、ということも珍しくないのです。ただ佐々木投手の場合、野球ファンの皆さんが『体が細すぎる』と指摘する気持ちは僕にもよく分かります。あの体型だと、確かに1試合を投げきるにはスタミナが足りない可能性があります。マイナーリーグで体重を増やすことは、挑戦する価値があるのではないでしょうか」(同・前田氏)

 第1回【驚異の「縦スラ」で3奪三振の「大谷翔平」と、マイナー行き不可避の「佐々木朗希」に米メディアは「残酷な明暗」を指摘 元プロ投手は大谷の「ストイックな姿勢」を称賛】では、大谷翔平と佐々木の残酷すぎる明暗について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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