「選手間投票でこんな結果になるのは謎」 不調のオースティンがオールスター選出で波紋

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 オールスターの選手間投票で選ばれたセ・リーグの一塁手が物議を醸している。

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2軍で調整中

 先に発表されたファン投票では阪神の大山悠輔(30)が選ばれた。7月9日現在(以下同)、打率2割6分8厘で4本塁打36打点と打棒はぼちぼちだが、リーグ首位を独走する阪神の中軸を担っているのだから、これはまあよしとしよう。

 しかし、選手間投票でDeNAのタイラー・オースティン(33)とは何事か。打率2割1分1厘で2本塁打、12打点と絶不調だし、77試合中わずか29試合しか出場していないのだ。

 スポーツ紙記者が語る。

「4月6日に下半身コンディション不良で登録を抹消され、1カ月ほど離脱。5月5日に復帰するも、6月6日に再び抹消されました。今なお2軍で調整中です」

 2003年のファン投票で、長期離脱中の中日・川崎憲次郎投手が皮肉を込めて選出されたことがあった。むろんオースティンに投票した選手たちにそんな邪(よこしま)な動機はないだろう。

「最近のオールスターそのものがいい加減」

「川崎のケースはともかく、人気が偏るファン投票は、実力通りの選出にならないことが多々あります。今回も、第1戦開催地の京セラドームを本拠とするオリックスの選手がファンの組織票で6人も選ばれた。でも、それもオールスターの醍醐味。そんな偏りを是正するために選手間投票があるのですが、そこでこんな結果になるのは謎です」

 それこそ第2戦の会場がDeNAの本拠地・横浜スタジアムだから? そんな忖度(そんたく)はファンに任せるべし。

「昨季、首位打者に輝いたオースティンは、ポストシーズンでも活躍し、チームの日本一に貢献しました。けれど、それとこれとは別の話ですよね」

 他に投票したい選手がいなかったのだろうか。

「ヤクルトのホセ・オスナ(32)は打率2割6分2厘、4本塁打33打点と大山とほぼ同じ成績です。しかし選手間投票でオースティンは、217票の大山や92票のオスナをしのぐ235票を獲得しているんです」

 あまりにいい加減な投票行動といえまいか。

「最近のオールスターそのものがいい加減ですからね。わざと暴投してコントみたいな寸劇を繰り広げたり、忖度してサイクル安打を達成させたり……茶番ですよ」

 格式高いMLBのそれとは大違いなのである。

週刊新潮 2025年7月17日号掲載

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