白鵬は「本当に気の毒」 元NHKアナが明かす複雑な心境 大横綱たちはなぜ、消えていくのか
なんとも理不尽
そのような貢献をしてきた横綱が、親方になってほんの数年で、その世界から消えなければならないというのは、なんとも理不尽なことに思えてなりません。
もっと全体がうまく収まるような形がなかったのか、と今でも考えてしまいます。日本相撲協会の執行部であれ、白鵬側であれ、あるいは各部屋の関係者であれ、皆が知恵を絞り合い、敵対視するのではなく、良い方向で話し合うことができたはずです。
例えば、「一年間は頑張って、こうしましょう」といった具体的な意見も出せたと思うんです。しかし、そのような直接的な意見のやり取りがないまま、白鵬が行き場をなくしてしまうような状況になってしまったのは、非常に残念です。
白鵬の肩を持つわけでも、日本相撲協会の肩をもつわけでもありません。第三者として見たときに、みんなが助かる方法があったんじゃないかと思いますね。
近年、貴乃花や朝青龍といった大活躍した力士たちが、引退後に相撲界を去っていく姿を見るのは、やはり悲しいことでもあります。
横綱という最高位に就いた彼らの義務は、引退後に、自身が学んできたものを後世に伝承していくことであるはずです。しかし、彼らは皆、自分自身に落ち度があったにせよ、その義務を十分に果たせないまま、相撲界を去らざるを得ない状況に追い込まれてしまった。
誰がいいとか悪いとか、そういうことではありません。なぜ、一つの集団の中で、いがみ合うだけでなく、皆で「もっと良くしていこう」という考えをもう少し持てなかったのか。今一度、考える必要があると思います。
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第1回【「さがり」を叩きつけ、感情がむき出しに…大相撲・名物実況アナが即答した忘れられない一戦】では、藤井アナが最も印象に残っている一番などを語っている。
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