ダルトンの要求は「愛のムチ」といえるか 企業防衛のプロが「会社は株主のものではない」と断じる理由
ダルトンの提言は「愛のムチ」なのか
そして実は、株主そのものが「会社は株主のものである」という理屈を自ら否定している実態もあるのです。
今回のフジMHDの不祥事に関して、アクティビストのダルトンは会社を徹底的に糾弾しました。これでもか!これでもか!というくらい会社を痛めつけています。
本当に会社が株主のものであるなら、それは株主にとって利益という金の卵を産み続けてくれる鶏ともいえる大切なものですから、株主自身が会社を痛めつけるようなことはしないはず。みなさんが大切にしている宝物を、自分自身で乱暴に扱ったり、たたきつけて壊したりすることはしないでしょう(まあテニスプレーヤーがラケットを叩き壊すことはありますけど、あれは非合理的な行為なのでおいときます。替えがきくから叩き壊すとも言えますね)。
そういわれると「いや、ダルトンは株主として愛のムチをふるったのではないか?フジMHDの悪行を非難し、よい会社になってほしいからネガティブキャンペーンを張ったのではないか?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
しかし、私に言わせれば、あんなのは愛のムチではない。
〈有料版の記事【経営層必読「会社は株主のもの」の妄信に落とし穴あり ダルトンvsフジテレビの事例から学ぶアクティビスト対応の「いろはの“い”」】では、株価が上がり続けるフジMHDの懸念や、「会社は株主のもの」という妄信の“落とし穴”など、企業がアクティビストと対峙していく上で知っておくべきことについて詳述している〉
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