聴かない人にもわかる「Mrs.GREEN APPLE」のスゴさ デビュー10周年、なんでこんなに人気なのか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 2025年7月8日にデビュー10周年を迎えた人気ロックバンド『Mrs. GREEN APPLE』、通称“ミセス”。ボーカル&ギターの大森元貴(28)、ギターの若井滉斗(28)、キーボードの藤澤涼架(32)の3人からなるこのバンドの名は、流行り音楽に興味がない人々でも聞き覚えがあるはず。テレビを見ればミセス、本屋に行ってもミセス、子どもの運動会のテーマ曲もミセスで、コンビニもミセスとコラボ、なんならディズニーパレードにまで登場してしまう。街じゅう、いや日本中がミセスだらけだ。いったいどうなっているの? 

 ***

「今、ミセスは間違いなく無敵のバンドですね」

 そう教えてくれたのは連載「記録と記憶で読み解く 未来へつなぐ平成・昭和ポップス」でもおなじみの音楽マーケッター・臼井孝さん。

「いま日本でもっとも使われている音楽ストリーミング配信サービス『Apple Music』の人気曲TOP20で(取材時7月5日時点)、なんと11作がランクイン。しかも1~5位がミセスです。よりライトなユーザーの多い『Spotify』でも11作。こちらでは『青と夏』(2018)、『ライラック』(2024)という過去の作品や、今年発表の『クスシキ』『breakfast』が2位から5位を独占していました。アーティスト別でみればミセスの人気が断トツでしょう」(臼井さん、以下同)

ソニー枠を奪う人気ぶり

 ここで名前の出た作品『クスシキ』は、大人気アニメ『薬屋のひとりごと』(日本テレビ系)の第2期オープニング主題歌だ。

「これもすごいこと。『薬屋のひとりごと』はソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、ソニー)の子会社であるアニプレックスの企画・製作。なので、この枠は通常、ソニーのタイアップ楽曲が使用されるんです。例えばアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』ではCreepy Nuts『Bling-Bang-Bang-Born』が大ヒットとなりました。『薬屋のひとりごと』第1期のオープニング曲ももちろんソニー所属の緑黄色社会の曲だったのですが……こうした社内利益をすっ飛ばして、ライバル・ユニバーサルミュージックのアーティストであるミセスを起用するっていうのは、かなり異例中の異例のことだったと思います」

次ページ:メンバーの才能が底なし

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。