五輪金「ウルフ・アロン」のプロレス転向は成功するか…柔道界のレジェンドが乗り越えられなかった「プロレスの壁」とは
「自分の生き様を表現するプロレスラーに」
柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダリストのウルフ・アロン(29)が6月23日、都内で会見を行い「新日本プロレス(以下、新日本)」入団を発表した。同日付で新日本と所属契約を結び、新日本では毎年恒例の東京ドーム大会(来年1月4日)でデビューすることが決定。日本の五輪金メダリストのプロレス転向は史上初だ。
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自身のYouTubeチャンネルの登録者数が12万人を突破し(7月2日現在)、東京五輪後、数々のバラエティやトーク番組に出演していたこともあり、ウルフの知名度は絶大だ。会見には約100人の報道陣が集結。ウルフがデビューする東京ドーム大会での引退を発表している同席した新日本の棚橋弘至社長(48)は、「業界を担う選手になっていただけると期待している」と力を込めた。
同29日、名古屋市のドルフィンズアリーナで行われた興行では、新日本の象徴であるライオンマークが入った赤と白のTシャツ姿で登場したウルフはリングに上がり、ファンに決意表明した。
「新日本のプロレスラーになることは、もう一つの僕の夢。次にマットの上に立つ時には一人前のプロレスラーになって戻って来られるよう準備していく」
「かつてはテレビ朝日で金曜日午後8時から中継され、80年代の全盛期には常に20%超えの高視聴率を獲得した新日本ですが、現在の放送は土曜の深夜30分の放送です。にもかかわらず、ウルフがデビューする来年のドーム大会は、正月恒例の大会としては2004年以来、実に22年ぶりにテレ朝系の全国ネットで放送されることが早々と決定しました。ここ数年、オカダ・カズチカ(37)、内藤哲也(43)ら2010年代の黄金期を築いたレスラーたちの退団が相次ぎ、観客動員も減少の一途。テレ朝がウルフに大きな期待を寄せていることがうかがえます」(テレビ朝日関係者)
東海大時代から毎週、新日本のテレビ観戦を欠かさなかったというウルフだけに、会見では「『なぜプロレスを?』と聞かれたら、好きだから」と“プロレス愛”全開で、「自分の生きざまを表現するプロレスラーになって行きたい」と理想のレスラー像を掲げた。
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