日テレはなぜ、「鉄腕DASH」を継続させるのか 国分太一が担当の企画は“崩壊”状態に

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体力企画は減少

 バンコクロケのタイトルは「世界一の渋滞都市・一番速い交通手段はどれか!?」。インラインスケートの長瀬、自動車チームの城島と松岡、船チームの国分と山口がゴールまでの時間を競うというガチンコバトルで、別企画と合わせ2回に分けて放送された。まさに「体力の限界に挑む」過酷なロケ。当時のメンバーはまだ若く無理難題なロケにも果敢に挑戦していた、という。

「しかし、メンバーの加齢とともに体力を競う企画は次第に減少しました。2000年代以降は、DASH村やDASH海岸など長期にわたる企画を押し出すとともに、農業や漁業に打ち込む姿勢を見せることで、官公庁やスポンサーから評価される番組作りに転換。民放連からも『青少年に見てもらいたい番組』のひとつとして選ばれたほどです。山口や長瀬が脱退した後もTOKIOがその名を残していたのは、まさに『ザ!鉄腕!DASH!!』を続けるためでした」(日本テレビ関係者)

 国分の活動休止が発表された直後の22日の放送回は、城島と事務所の後輩であるSixTONESの森本慎太郎(27)らが出演。DASH海岸のある東京湾周辺で小さな魚類を観察したり幻の魚を釣り上げて刺身にして食べたりする、という内容だった。一方、崩壊状態にあるのが国分担当の「新宿DASH」という企画だ。

「東京・新宿の大学構内の施設を借りてビオトープなどを作り、自然界の生物を呼び戻すという内容で2016年から始まりました。だが、今年に入って撮影がほぼストップ状態に。番組スタッフへのパワハラが取りざたされていますから、その影響が原因との見方もあります」(前出の日本テレビ関係者)

 日本テレビの福田博之社長は「出演者自体に問題があったのであって番組に問題があったわけではない」として「ザ!鉄腕!DASH!!」の継続を明言したが、果たして鵜呑みにしてよいのだろうか。

「さすがに30年も続くと、企画を変えてきたとはいえマンネリ感は否めません。大自然の素晴らしさと農業、漁業の大切さをアピールする企画自体は、教育効果があり評価も高い。ですが、コア視聴率では裏番組のフジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』を下回る傾向にあります。

 若者世代の人気バロメーターである見逃し配信のTVerのお気に入り数は、43.3万と長寿番組にしてはやけに少なく、40.6万の『千鳥の鬼レンチャン』が猛追しています。ちなみに、事務所後輩の冠番組であるTBS系『それSnow Manにやらせて下さい』(金曜午後8時)は346.5万と大差がついています」(前出のテレビ誌ライター)

「それスノ」はダンス企画で木南晴夏や伊原六花、板野友美、ももいろクローバーZの佐々木彩夏、Da-iCEの花村想太、松井珠理奈のほか、K-POPグループのアイドルまで積極的に取り込んで、幅広い視聴者層を巻き込むのに極めて貪欲。そこが「ザ!鉄腕!DASH!!」との決定的な違いだ。

 日テレとしては「ザ!鉄腕!DASH!!」→「世界の果てまでイッテQ!」→「Golden SixTONES」という日曜夜の“三段構え”編成を簡単に崩したくはないだろう。SixTONESの森本が「ザ!鉄腕!DASH!!」に出演しているのも、この流れを補強するためだ。ただ、TOKIOの解散で番組の存在価値が大きく揺らいでしまった。

「日テレは放送30年を迎える11月まで番組を存続させるでしょうが、来年4月の改編で生き残れるかは不透明です。高齢化の進行により、もはやメンバーの“鉄腕”も“DASH”も期待できない以上、番組タイトルと番組内容の乖離はますます進むだけ。もはや、賞味期限切れです」(前出の日本テレビ関係者)

 城島と松岡の決断やいかに――。

デイリー新潮編集部

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