大谷翔平の「二刀流」前倒し復活のウラ事情 「本人もいつまでも続けられるとは考えていない」
ドジャースの大谷翔平(30)が「二刀流」を復活させた。実に663日ぶり、想定より1カ月も前倒しとなったわけだが、そこには抜き差しならぬチーム事情、そして本人の“強い意思”があったという。
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ひと月繰り上がりで復活
球団が大谷の投手復帰を発表したのは15日(現地時間・以下同)。翌日のパドレス戦での先発が決まり、試合を放映するNHKも急きょ、BSから地上波に中継を切り替えたのだった。
「マウンドに上がるのはエンゼルス時代の23年8月以来。1番・ピッチャーで先発し、1イニング打者5人に28球、2安打1失点したものの、持ち球であるスイーパーやシンカーをちりばめ、フォーシームは最速161キロをマークしました」(メジャー担当記者)
まずまずの滑り出しを見せた大谷は一昨年9月に2度目の右肘手術を受け、ドジャースに移籍した昨季は打者に専念。「50本塁打50盗塁」という金字塔を打ち立てたものの、10月のワールドシリーズでは盗塁の際に左肩を脱臼し、やはり手術を受けていた。
「リハビリを終えて今季は3度のライブBP(実戦形式の投球練習)も行ってきました。直近では10日、3イニングを想定して44球を投げています。とはいえ球団は早期復帰には慎重で、早くても来月15日のオールスター以降と目されていました」(同)
その復帰プランは、突如としてひと月ほど繰り上がったのである。
ダブルヘッダーをこなすような負担
在米スポーツジャーナリストの梅田香子氏が言う。
「ドジャースの先発投手陣は現在、不調続きです。佐々木朗希、グラスノー、スネル、ゴンソリンらが相次いで戦線離脱し、投手陣全体では14人が故障者リスト入りしている。そんな差し迫った状況で、大谷選手に白羽の矢が立ったのです」
ローテーションのやり繰りに苦しむチームは、背に腹は代えられないとばかりに復帰を早めたというのだ。そして何より、大谷の意思によって実現したというのは、スポーツジャーナリストの丹羽政善氏である。
「ライブBPの前には、ブルペンで肩慣らしを兼ねた投球練習が不可欠です。そのため実戦練習は、トータルで1時間ほどを要します。こうしたプログラムで大谷は、打者として出場する試合と併せ、まるでダブルヘッダーをこなすような負担を感じたといいます」
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