「参院選の比例票500万割れも否定できない」 “勝率100%”の都議選で敗れた公明党が直面する2つの懸念
22日に投票が行われた東京都議会議員選挙。都民ファーストとの第一党争いに敗れ、過去最低の議席数となった自民の負けっぷりが注目されているが、しかし“大敗者”はそれだけではない。3人の落選者を出した公明党にこそ、重大な危機が訪れているのだという。
***
歴史的惨敗を喫したのは、自民党だけではなさそうだ。8回連続で全員当選を果たしてきた公明党が、36年ぶりに落選者を出すことになったのだ。
全国紙記者によると、
「『勝率100%』をなんとしても維持したかった公明党は、現有議席から1人少ない22人に擁立者をしぼり、9回連続の全員当選を目指していました。それにもかかわらず3人の落選者を出したわけですから、党や、支持母体である創価学会にとっては大変な衝撃だったのではないでしょうか」
今回議席を失ったのは新宿区と大田区。このエリアもまた大きな意味を持つと、さる創価学会員は言う。
「新宿区は言わずと知れた創価学会本部の所在地ですし、大田区は故・池田大作名誉会長の生誕の地です。そんな特別な重要な選挙区で敗れたということは、“惜敗”の一言で片づけていい問題なのかと思ってしまいます」
投票日の翌日、23日の聖教新聞と公明新聞には、「激戦突破相次ぐ」「当選相次ぐ」といった猛々しい見出しが並んでいるが、
「最近の選挙では公明党にとって厳しい結果に終わることが多いですが、いつも翌日の新聞はこんな様子の記事が並んでいますよ」(同)
都議選は特別
もっとも、公明党や創価学会にとって、都議選の重要度は他の地方選とは一線を画す。
「地域の声を重んじる公明党にとって、そもそも地方議会での議席確保は最重要課題。その中でも都議会は、全国の地方議会の中心であるだけでなく、学会が本部を構えている場所という意味でも、特別視されています。前身である公明政治連盟が都議会で躍進し、1964年の公明党結成につながったという歴史もありますしね」(先述の学会員)
いわゆる「F取り」(学会員が非会員の票=フレンド票を獲得する活動のこと)のために、今回も全国的に激しい発破がかけられていて、
「昨年の衆院選が終わったら、『次は都議選と参院選だ!』と、早々に各地区や支部で号令がかかっていました。都議選は特別なので、地方の会合がわざわざ東京で行われたりもします。地方選とはいえ、学会員の負担も大きい選挙なんです」(同)
[1/2ページ]