中日・川越誠司の“幻の逆転2ラン”に「またか」 過去には新庄監督も抗議…「疑惑のビデオ判定」トップ3を振り返る

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新庄監督は「際どかったらホームランでいいと思ったけど、あれは完全に…」

 ファウルが本塁打になった事例といえば、昨年7月30日の日本ハム対オリックスを思い出すファンも多いはずだ。

 0対0の2回、オリックスは先頭の4番・森友哉が右翼ポール付近のスタンドに飛び込む微妙な打球を放った。

 ファウルと思われたが、有隅昭二一塁塁審は本塁打と判定。日本ハム・新庄剛志監督がリクエストを要求したが、リプレー検証でも判定は覆らなかった。

 本塁打と確定した直後、「そりゃないよ」とばかりに両手で頭を抱える仕草を見せた新庄監督だったが、リクエスト判定に抗議するとルール上退場になるため、引き下がらざるを得ない。

 試合は延長12回、3対3の引き分けに終わり、日本ハムにとっては「あれがファウルだったら」と悔やまれる結果に。

 試合後、新庄監督は

「いや、あれねぇ。審判の方が見て、リクエストをして、1個しかなかったわけでしょ、映像が。それを審判の方たちが判断して、際どかったらホームランでいいと僕は思ったんです。でも、あの映像を確認したら、完全にファウルで……。リクエストの映像を見ての判断でしょ。その辺はね、あの角度以外でも映像をつくらないといけないっていうのが、正しいっちゃ正しい。まあ結果論ですけど、あれがなかったら勝ってるわけですからね」

 と複数の映像での確認を提案した。

 今回の川越の疑惑の判定についても、関係者やファンから半ば形骸化したリプレー検証のあり方に疑問を呈する声が多く出ている。人間の目だけではなく、映像も角度によっては完璧ではない以上、新庄監督の言うとおり、複数の映像を準備するなど、検証方法の多様化が望まれる。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

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