「7月5日に東日本大震災の3倍の津波が」 荒唐無稽な予言をなぜ中国人は信じるのか 「風水が重要視され、超自然的なことを信じる土壌」
韓国では「冷静な報道がほとんど」
在韓ジャーナリストの金敬哲氏も「友人が7月の日本旅行をやめた」と語る。
「韓国では大手民放も含めて、ちょっとしたトピックとしてこの件が報じられています。専門家によるコメントも合わせた冷静な報道がほとんどですが、例えば『ソウル経済新聞』などでは7月の日本ツアーの予約件数が45%減ったという旅行代理店の声を取り上げており、気にする人も一定数いるようです」
ネットのトレンドは戒厳令以降、政治一色だという。
「中には“小学生シャーマンが次期大統領を予想”なんて動画まであるほどで、日本の予言が注目を浴びる余地はなさそうです。韓国では地震がほぼないこともあって、災害への危機感も薄めです。とはいえ、朝鮮半島の最高峰・白頭山がそろそろ噴火するという風説がかねてよりあり、予言が現実になればその影響でいよいよ……なんてうわさする人ならいますけどね」(同)
「予言の“台湾有事”バージョン」
香港、韓国それぞれの受け止め方がある一方で、台湾ではさらにわが身に引き寄せて予言を捉えているようだ。台湾在住のライター、広橋賢蔵氏が語る。
「簡単に言えば、予言の“台湾有事”バージョンです。地震を機に中国が攻め入ってくるとうわさされています。予言の日の前日は米国の独立記念日にあたるため、そんな時に台湾まで米軍が助けに来てくれるはずもないと想像を膨らます人もいる。最近では緊急時用の医療器具や浄水器が入った防災セットが飛ぶように売れており、有事に備えようという空気が強いのです。台湾も地震は多いのですが、何よりいま念頭にあるのは中国の侵攻ですよ」
気にしないと語る人でも予言自体は知っており、関心は高いという。
「中国への忌避感から、日本にビジネスの商機を見る人も多いですからね。訪日を控えまではしないものの、気を引かれるのでしょう」(同)
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