大谷「マウンド復帰」で見えてきたド軍の苦しい台所事情…のべ15人の投手が離脱で頼りは「日本マネー」

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反対デモなどの影響は?

 気になるのは、ロサンゼルス市内での不法移民摘発への反対デモと共に、夜間外出禁止令が出され、市内の一部で略奪行為など、治安が悪化していることだ。トランプ政権による不法移民の取り締まり強化に対する抗議デモで治安が悪化し、午後8時からの「外出禁止令」は今も続いている。これに軍事パレードに反対するデモも加わり、ドジャースの観客動員400万人超えにも影響が出るかもしれない。

「午後8時を過ぎての外出はそのエリアに住む住民、取材陣には認められています。コロナ禍のときの外出禁止令のような息苦しさはありませんが、クラブでお酒を酌み交わしながら大谷の話をする和やかさはなくなりました。子ども連れでナイトゲームに行きにくくなったとは聞いています。デモに参加した人たちは『No Kings(王は要らない)』のプラカードを掲げていました。昨季、本塁打、打点のタイトルを獲得した大谷を『King』と称する声もありましたが、デモの余波でその呼び名はなくなりました」(前出・米国人ライター)

“キング大谷”の相乗効果で、メジャーリーグ全体でも4月、5月の平均観客動員数が2万7000人を超えた。過去10年で最高数値である。こうした“日本ブーム”に佐々木朗希(23)が乗り切れなかったのは残念だが、一部でオリオールズ・菅野智之(35)のトレード獲得説が伝えられたのはその影響かもしれない。

 大谷の復帰登板がサプライズとなった要因をもう一つ挙げるとすれば、3度目のライブBPを行った6月10日、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長が「長期的な活躍ができるようにすることを目標としている」と、早期の復帰を完全否定するコメントを出していたことがある。

 大谷は1イニングを投げ終えた後も「1番DH」で試合に出続け、4打数2安打2打点と勝利に貢献した。先発投手として退いた後も打者出場を認める「大谷ルール」によるものだが、早くも「ドジャースを利するだけ」と見直しを求める声も出始めた。

 大谷見たさにその球場もファンが集まっている以上、その改定はないだろう。

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