デタラメ情報を拡散、「陰謀論」を繰り返す韓国の極右系ユーチューバーのコメント欄が日本語で埋め尽くされた
日本の保守層が好感
尹支持を強硬に打ち出したことで人気を集めているある韓国人ユーチューバーのチャンネル登録者数は80万人近く。戒厳宣布の12月以降に投稿された動画の再生回数は軒並み100万近くをたたき出し、中には200万回超えも。コメント欄には「尹元大統領が再度立候補するよう団結しよう!」「日本人のことを大切に思ってくれてありがとう」「李在明を決して大統領にしてはいけない」などと応援する視聴者の声であふれている。そのほとんどが日本語だ。
「戒厳前までは、韓国の最新トレンドや日韓の文化比較をオネエ言葉で面白おかしく伝える動画が多かった。その奇抜な言動に興味を持ったTBS制作陣が、二階堂ふみ主演で2024年1月期に放送されたドラマ『Eye Love You』の第5話に彼をゲスト出演させたこともありました。
しかし、戒厳令宣布後に突然、極右系ユーチューバーに変身してしまったことで戸惑うファンも多かった。ただ、親日を自称する韓国人の若者が尹前大統領を熱烈に支持し、日本語で韓国の政治について怒りをぶつける様子が、日本の保守層の好感を呼んだようです。動画視聴者のほとんどが日本人で、この人気を背景に7月には東京で有料の誕生会を開催する予定です」(ネットメディア編集者)
韓国の革新系政治家を嫌う日本人相手に、極端な主張を盛り込んだ動画を投稿する韓国の若者ユーチューバーの中には、動画再生の広告や投げ銭などで月1000万円以上を稼ぎ出す者もいるという。しかし、李政権が発足すると韓国当局の捜査をおそれて、動画投稿の終了を宣言し、韓国国外に逃避したユーチューバーも現れている。
「極端なネット社会の韓国では、政治系ユーチューバーがキー局の報道番組以上のフォロワーを集めたり、K-POPアイドルに対する誹謗中傷をネットで繰り返して摘発されたりするケースが相次いでいます。大統領選挙の際は各社からの世論調査が乱立しましたが、恣意的な質問で尹前大統領の支持率を高めに操作する調査結果が保守層の思い込みを増長させ、結果的に保革の厳しい対立を深刻化させてきたのです」(同)
20代から30代の男性は兵役があることを“不平等”と怒っており、そんな層が「韓国は共産主義国家になる」「共に民主党の勝利は不正選挙の結果」などと叫ぶ極右系ユーチューバーの熱心なフォロワーにもなっているというが……。
「サムスングループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長が3月に李代表(当時)と面会しましたし、今月13日には韓国を代表する5大財閥のトップと韓国経済人協会など経済6団体のトップが李大統領と会合を持ち、韓国の経済成長や今後の投資について意見交換しています。これのどこが共産主義なのか理解に苦しみますが、それだけ韓国では格差が激しい現状への不満が、特に若者男性の間で渦巻いているのです」(前出の政治ジャーナリスト)
実際にそのような不満がエスカレートして過激化し、それを警察が取り締まるといういたちごっこが続いている。最近では反女性を標榜し動画投稿で扇動を繰り返してきた男性ユーチューバーが、麻薬投薬容疑で5月に逮捕された。今後、他のユーチューバーについても偽情報流布による公職選挙管理法違反容疑などで、捜査の手が及ぶ可能性があるという。
「尹アゲイン!」の可能性が限りなくゼロに近くなった今、極右系ユーチューバーの末路やいかに――。
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