やはり「財務省出身」政治家が動いた 現金「バラマキ」を推進した自民党4役とは

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これでは戦えない

 自民、公明両党が今夏の参院選に向け、「バラマキ」に舵を切った。物価高対策として全国民を対象に現金を給付することが発表された。自公は4月にも現金給付を検討したが、その時は見送った経緯がある。なぜそれが“復活”したのか。減税よりも給付、という方針を推進した自民党幹部の出身はやはり財務省だったようで――与党、官邸の苦悩をレポートする。

「自公は4月にも1人あたり現金5万円の給付を検討していましたが、バラマキ批判を受けて見送っていました。今回それが復活した背景には当然、参院選があります」

 と、政治部デスク。

「野党が一斉に消費税減税に舵を切る中、自民は森山裕幹事長を中心に“減税は絶対NG”のスタンスでした。が、選挙を控える参院からは“これでは戦えない”などといった悲痛な声が上がっていました。目玉となる政策を探してきたのですが、結局何も見つからず現金給付に落ち着いたというのが正直なところでしょう」(同)

税制をいじらない

「“税制をいじらない”という大きな方針のもと、現金給付が可能な仕組みを作っていきました。財務省からは税収が予想より上振れするとの報告があり、これを給付の財源に充てることにしたようです。“増収分を国民に還元する”という言い方も含め、岸田前首相のブレーンで、岸田政権で官房副長官を務めた自民党の木原誠二選挙対策委員長がプランを推進してきたと聞いています」(同)

 財務省としては消費税に手を加えられるのだけは避けたい。財務省出身の木原氏はそのあたりの意図を汲んで計画を進めたとされる。全国民を対象に1人あたり現金2万円を、子どもと住民税非課税世帯の大人には2万円を上乗せして計4万円とし、自公はそれぞれ参院選の公約に盛り込む予定だ。

「木原氏自身、“国民が物価高で苦しんでいる時に国の税収だけが伸びているのはおかしく、しっかり国民に還元していくことも大切だ”と言っていましたが、このロジックをどれだけの国民が理解できるのか微妙だなと感じています」(同)

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